29屋的　越南食卓／第37回

Come Rain or Come Shine ～今こそガッツの20周年～

この原稿を書いている2020年2月中旬。ベトナム国内のみならず、世界中あちらこちらが、とにかくコロナのおかげで大変なことになっていて、読者の皆さんも公私にわたってとてつもない影響を被っている由、謹んでお見舞いを申し上げます。かくいう私のような自営業者も、実際、本っ当に大変で、旧正月のボーナスや資金繰りですっかり軽くなってしまったフトコロを盛り返すべく、「さあ、これから商売に精を出すべ！」と本気を出した途端、世界史に残るレベルのカウンターパンチ。この調子で行くと、マジで来年のボーナスは、ナスビに棒をぶっ刺して「これがホントの棒茄子（ぼうなす）。なんつって（笑）」とか笑ってごまかそうとして従業員にぶん殴られるしかないほど、すがすがしいまでの不景気っぷり。いやー、まいった、まいった。ハハッ（某アメリカ黒ネズミ風）。思えばスケッチ創刊以来、イコール私が本誌に連載コラム枠を持つようになったこの20年に限っても、ベトナムの日系社会は激動の国際情勢の波にもまれ、いくたびもの試練を与えられてきた。911。SARS。鳥インフルエンザ。311。そして、今回。「ベトナムや祖国日本が我々に何をしてくれるのか？」を問うのではなく、「我々がベトナムや祖国日本に何ができるのか？」を己に問うべき時は、今、この時。泣くな。闘え。いつか、この暗闇をくぐり抜けた朝に、前よりも強く大きく在れるように。たっぷり食って、たっぷり寝て、たっぷり笑いながら、ガッツ！