メディカルトーク 伝染性単核球症(EBウイルス感染症) 合併症を引き起こす前に、診察を

メディカルトーク

症例

30代男性。1週間続く咽頭痛、発熱、頸部リンパ節の腫脹、倦怠感にて来院。血液検査で肝機能異常、白血球分画単球増加。EBウイルス抗体陽性と診断。安静点滴、対症療法の治療にて改善した。

放っておくと肝機能にも異常が 長引く風邪の症状には、要注意

EBウイルスはヘルペスウイルス族に分類され、潜伏期は2~4週間程。症状は、1週間ほど続く38度前後の高熱と倦怠感のほか、発熱3~5日後から徐々に首のリンパ節が腫れて痛みが出てきます。首が腫れるのでおたふくかぜとの鑑別が難しく、風邪の症状にも似ているので、長引く風邪の症状に注意してください。 また、EBウイルスは肝機能異常をも引き起こします。肝機能は解熱とともに数値が悪くなってきますが、ほとんどの場合は、一時的な反応でひと月くらい経つと正常値に戻ります。さらに、EBウイルスは日本人の90%が、幼小児期の知らない間に感染していて抗体が陽性ですが、症状改善まで2~3週間もかかります。

4つのポイントを意識して 免疫力低下を防ぎ、感染予防を

ウイルス感染である伝染性単核球症の治療には、安静点滴対症療法を行います。症状出現時に唾液内にウイルスが多く検出されることから、インターネットで検索するとキス病などとヒットするかもしれません。予防方法としては、多くの病気に当てはまることですが、免疫力低下を防ぐことが有効です。 体温を低くしない。睡眠時間は6時間以上を確保して、深夜12時までに寝る。タンパク質を1日60~80g摂る。たくさん笑う。以上の4点は免疫担当細胞の活動を高める行為として、医学論文でも証明されているようです。仕事や家事など、忙しいとは思いますが、疲れを感じたときには体を休ませてください。それが、感染予防の第一歩です。
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