越祭モノガタリ/(5)彼の歌声から始まった 悲しい恋の物語

リム祭り Hoi Lim ある大臣の美人な娘が、ふと聞こえたチュオン・チー(Truong Chi)という醜い顔の男の歌声に恋に落ちた。ある日突然聞こえなくなった歌声を恋しがり病気になり、チュオン・チーの歌が原因だと知った大臣が彼を呼び、娘には会わせずに歌わせた。感謝を伝えたいと面会した彼女は、彼の醜い顔にひどくがっかりし、歌声に対する気持ちも冷めてしまった。チュオン・チーは彼女に一目惚れしたが断られ、貧乏で醜い自分に意気消沈し、身体は朽ちて死に、心がクリスタルの球になった。彼女が偶然、その球を手に入れ、茶碗に作り変えた。それにお茶を入れると、彼の姿が水面に映り、在りし日の歌声が聞こえた彼女の涙が落ちると、茶碗は水になって消えてしまった。まるで2人の恋と同じようだった。
場所:リム村/Lim Village 住所:Tien Du Dist., Bac Ninh Province
旧暦1月12~14日
ベトナム伝統民謡「クアンホ/Quan Ho」を男女が交互に歌い合う演出がメインで、他にもドラゴンダンスなど、さまざまなイベントが催される。本祭りの根源には様々な説があるが、その1つは悲しい恋物語だった。