ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説3月号

ハノイでF1、開催費6000万USD

ハノイは、2020年4月に自動車レースの最高峰「フォーミュラ・ワン(F1)」を開催すると発表。自動車製造に参入したビングループ(Vingroup)がメインスポンサーを務める。ミーディン(My Dinh)地区の既存道路を利用した市街地コースとなる。当初はホアンキエム区開催の構想もあったが、旧市街に近く困難と判断、インフラが充実し、一部項目についてはすぐにでも対応できるミーディン地区に決まった。 (Thanh Nien 10月10日, P. 20~21)
解説 「F1観戦に来たんですか?」 2002年3月、1年のハノイ留学を終えて帰国する経由地、マレーシアでタクシー運転手からかけられた言葉に、筆者はベトナムでF1が開催される日に想いを馳せたものです。当時は、まだずっとないだろうなぁと思っていましたが、それから約20年、このニュースにしびれました。 ベトナムでのF1開催の噂は以前からあり、ホーチミン市だろうと想像していました。ハノイというのは少し驚きましたが、ハノイの街並みをF1カーが疾走する姿を思い浮かべると、わくわくしますね。 東南アジアでの開催はシンガポール、マレーシアに次ぎ3ヶ国目。マレーシアGPは、現在開催が見送られています。今回の開催費用は6000万USDを見込み、民間から募るそうですが、すでに多くの企業が手を挙げ、調達は難しくないと考えられます。 ハノイ市関係者は、「世界で最も魅力的なレースをベトナムで初開催する。2020年4月に向け入念に準備を進める。これまでも大規模なスポーツ大会を開いてきたがF1は特別だ」と意気込んでいます。

ビングループ(Vingroup)、国産スマホ4機種を発売

ビングループの子会社ビンスマート(VinSmart)は2018年12月14日、初のベトナム製スマートフォン「ジョイ/Joy」など計4機種を発売した。 工場の第1期生産能力は年500万台、当初は249万~629万VNDと低価格に抑える。商品はハードウェア400回、ソフトウェア2000回の品質試験などヨーロッパ基準をクリアし、海外輸出も視野に入れる。今後は人工知能(AI)搭載の機種を展開する。 (Sai Gon Giai Phong 12月15日, P. 7)
解説 この10年弱でベトナムを代表するコングロマリット(複合企業)に成長したビングループ。ビジネスの始まりは1993年にウクライナで設立した、インスタント麺「ミヴィナ/Mivina」を製造するテクノコム(Technocom)という企業だそうです。 2000年頃からベトナムでの観光と不動産事業に乗り出し、2006年ニャチャンに開園した「ビンパールランド/Vinpearl Land」はベトナム初の本格的な遊園地として今も人気です。その後、ニュータウンやオフィスビル開発の傍ら、医療、教育、小売、農業など矢継ぎ早に事業を拡大、自動車・バイク製造にも乗り出し2018年10月に、子会社ビンファスト(VinFast)が「パリモーターショー」にベトナム企業として初出展しました。 彼らの特長は事業展開の速さと、今持たないものは、一から作り上げるより積極的に外部から取り入れようとする姿勢であり、自動車は欧州の技術を導入し、スマートフォンもスペイン企業を買収することで実現させました。今後の事業展開、また彼らの自動車やスマホがベトナム社会にどう受け入れられるのか、注目されます。
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