たべもの文学抄／スターフルーツ／Khế

ビタミンAとCなど栄養分が豊富で、咳の治療など効能もたくさんある

調理しても生でもどちらも美味しい

薄い緑色の酸っぱい果物で、炒め料理など食材として用いられる。熟すと黄色くなり、甘くなるので生でも食べられ、さっぱりとした味を楽しめる。

欲張りを戒める道徳的な物語

昔々あるところに兄弟がいて、欲張りな長男は財産を独り占めし、弟にはスターフルーツの木1本が生えた小さな土地を分け与えた。弟は何も文句を言わず、果実を売ったり、お金持ちに仕えたりして生活をした。やがて、その木にたくさんの丸くて大きな果実がなったが、ある日不思議な鳥が飛んできて、果実を全部食べてしまった。「たった１つの財産なので食べないで」と泣いた弟に、鳥は「食べた代わりに1袋の金を返してやる。手のひら3倍分の大きい袋を持って、明日取りに行こう」と話し、飛び去った。弟は言われた通りに準備し、翌朝、鳥の背に乗り金銀が溢れる島に行ったが、準備した袋の大きさ分しか金銀をとらなかった。弟の話を聞いた長男は欲がわき、自分の財産とスターフルーツの木を交換した。再び鳥が現れると、泣き真似をして宝島に連れて行ってもらった。しかし3倍ではなく6倍大きい袋に金銀を詰め込んだので、重すぎて鳥が運べず、帰り道で海に落とされ、死んでしまった。それは、強欲が招いた結末だった。