メディカルトーク 子どもが頑張り過ぎていませんか? 休息を大切に 思春期の「起立性調節障害」

メディカルトーク

症例

13歳女児。夏休み明け、頭痛がひどくなり、朝起きられなくなった。何とか登校し、午後には体調も回復する。学校トラブルもない。怠けだとする両親に、子どもの心身の変化に注意し適宜休息するよう促した。

自律神経が乱れ、体調不良を引き起こす 思春期の子どもたち

子どもが朝ぐずぐずして起きない、起きるように促すと「頭痛がする!」と訴える。「気のせい」、「しっかりしろ!」と言いたくなるような症状ですが、実は、「起立性調節障害(OD)」という病気かも知れません。思春期の子どもたちは、心身ともに大きな変化を迎えます。急激に身長が伸び、男児は声変わりをし、女児は女性らしいふくよかな体型になります。 そのような体型の変化がある時には、自律神経も乱れ、体調不良を来しやすいのです。ODは、自律神経の働きが乱れ、起立時や身体を起こそうとする時に、脳や身体への血流が低下し、今回のような症例のほか、朝の全身の倦怠感や食欲不振などを来す病気で、不登校の原因となります。

環境が変化する時には 子どもの様子にしっかりと目を向けて

ODか否かにかかわらず、子どもの訴えに耳を傾けることが大切です。ストレスや疲れを溜めていないか確認してください。OD症状の悪化の原因になります。 ODの治療としては、血圧を上げる薬などの内服治療などもありますが、まずはしっかり水分・塩分を取ることが大切です。学校を休んでも、生活リズムが崩れないようにし体を動かすこと。室内はクーラーをつけ過ごしやすくしましょう。 日本式の教育では、休息やリラックスを学ぶ機会が少ないように思います。赴任・帰任時、長期休み後など、環境が変化する時はストレスを抱えやすいです。そういう時こそ、子どもに対して「頑張れ!」ではなく、「休む・楽しむこと」を心がけてください。
関連記事
Related Articles
機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと
2025.08.20

機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!
2025.07.20

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために
2025.03.20

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために

世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を
2024.01.20

世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を

何もしていないのに起きる歯の痛み過度な噛み合わせや食いしばりに注意
2023.07.15

何もしていないのに起きる歯の痛み過度な噛み合わせや食いしばりに注意