メディカルトーク　日本にいると、リスクの低い「A型肝炎」 ベトナムに住むならば、予防接種をして回避を

症例

40歳男性。前任者の都合により急遽ベトナム赴任が決定。赴任期間は不明。予防接種について相談しに受診。感染リスクと重症度を考えA型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎、狂犬病の予防接種を勧めた。

食事などでウイルスが入るA型肝炎症状は倦怠感や発熱など

「A型肝炎」はA型肝炎ウイルスによる感染症です。A型肝炎ウイルスは、便から排泄されたウイルスが人の手を介し、ウイルスに汚染された水や氷、野菜や果物、魚介類が口に入ることで感染します。 A型肝炎の症状として、約8割の人に急性肝炎の症状が起きます。約2割は症状が出ません。最初は全身の倦怠感、発熱、咳、鼻水、筋肉痛などの症状が出ます。その後、白目が黄色くなる黄疸や尿の褐色が見られる場合があります。 症状が出なくなった後でも、数週間はウイルスを排泄しますので、他人に感染させないように注意する必要があります。感染すれば入院し、厳重な経過観察をする必要があります。

ベトナムなどの東南アジアでは 感染リスクがあるため、予防接種を

日本では、衛生状態が良いためほとんど感染はしません。しかし、ベトナムやその他の東南アジアの地域では衛生状態がそこまで良くないため、感染のリスクがあると言われています。 厚生労働省検疫所のホームページ「FORTH（For Travelers' Health）」では、とにかく予防接種を推奨しています。予防接種は渡航前に終わらせる事が基本になりますが、仕事の都合で予防接種が間に合わない場合があります。その際はベトナムのクリニックや病院で追加の予防接種を行う必要があります。 A型肝炎は予防接種をする事によって回避出来る病気なので、予防接種していない方は是非行ってください。