ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説6月号

外国人の強制社会保険、 間もなく政令公告へ

ベトナムで働く外国人の社会保険は、当面は、疾病、妊娠、労働災害・職業病の短期制度のみとなり、年金や死亡保険は、2020年か2022年頃になる予定だ。 政府は、企業が段階的に導入を進められるスケジュールで政令案を作成しており、まずは短期的な制度を優先する。社会保険の二重加入を回避する協定を各国と締結してから、年金等に拡大していく。 (Thoi Bao Kinh Te Sai Gon Online,4月2日)
解説 ベトナムの社会保険法では、2018年1月1日から、ベトナムで就労する外国人が強制社会保険に加入することを定めていますが、4月時点で運用されていません。 規則運用に必要な細則政令が出ていないほか、外資企業の強い反発もあります。企業や専門家は以前から、外国人に対する社会保険制度は短期的なもの、もしくは任意とし、強制すべきでないと提案しています。2~3年で帰国する人が多かったり、制度を利用する環境が整っておらず保険料を徴収されるだけとなる可能性があったり、母国の保険制度との二重加入になったりするためです。また労働者にメリットはあっても、企業は保険料だけでなく手続き等の労力が非常に大きくなります。 ただ国会はすでに、外国人に対する社会保険を強制的に運用する方針を示しており、二重加入の問題でもドイツ、韓国との協定交渉が完了、日本とも交渉に向けた作業が進められています。 「発効すれど運用されず」。ベトナムではこういった規則がままあり、外資企業の気苦労は多く、とにかく準備をしっかりしてほしいというのが本音でしょう。

携帯電話の顔写真登録、 各社オンライン対応

移動通信各社が携帯電話ユーザーに、登録個人情報の再確認と、不足情報や顔写真の補充を呼びかけている。 プリペイドも後払いも、氏名、IDカード番号、発給日、発給地などの正確な情報登録が必要となっており、2018年4月24日(火)の期限が迫るなか、各社は、店頭のほか、メールやアプリ、ウェブサイトでオンライン登録できる体制を整えている。 (Thanh Nien 4月11日, P.7)
解説 突然の規則で急に大騒ぎしているようにも感じますが、顔写真を含む、携帯電話の利用登録に関するこの新規定が出たのはちょうど1年前のことで、公告当時も、なぜ顔写真が必要なのか? といった議論が新聞紙上を賑わしていました。しかし期限がまだ先だったためか、話題はすぐに人々の関心から消えたようです。 顔写真を含む今回の情報登録強化は、「ゴミSIM」と呼ばれる、個人情報登録済(つまり他人情報の登録がされた状態)で販売されているSIMカード対策が主な理由のようです。 これは通信会社の従業員や販売代理店が販売しやすくする目的で発生しているもので、ユーザー側も個人情報を登録せず気軽に購入でき、用が済めば簡単に捨てられるため、このような名前がついたようです。 ところでベトナムでの携帯電話利用は2010年から個人情報登録が必要になっており、登録がないものは原則サービスが停止されることになっていましたが、期限までに登録しなかったものでも引き続き利用できた実態があります。ゴミSIM対策が強化されるなか、今回はどうなるでしょうか。
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