メディカルトーク　歯の被せ物が取れてしまったら？ きちんとメンテナンスし、原因を治療しよう

症例

男性。食事をしている時に、前歯の差し歯が取れて来院。中が虫歯になって差し歯が緩んで取れたようで、「どうしてもそのまま今日付け直して欲しい」と強い希望があり、付け直しをした。

被せ物が取れてしまった場合にはその原因をしっかりチェックして

銀歯や差し歯が取れるのには理由があり、①中が虫歯になった、②力がかかり過ぎて接着剤が崩壊した、という2点が主な原因です。また接着剤は年数を経て劣化しますので、力がかかり過ぎなくても10～20年が1つの目安になります。 被せ物が取れてしまった場合、「何もしないでそのまま付け直してほしい」という患者さんがいらっしゃいます。色々事情があるとは思いますが、取れた原因があるはずなので、咬み合わせの調整や、残っているセメントを除去することは最低限必要になります。 特に、咬み合わせが悪くても普段の生活で慣れてしまい違和感がわからなくなっていることもあるので、専門家のチェックが必要になります。

虫歯が原因の場合には 根本的な治療を先延ばしにしない

中が虫歯になってしまっている場合には、治療して作り直しするのが本来の方法ですが、患者さんの強い希望で虫歯を残したまま付け直すこともあります。 そういった場合は、早期にまた取れてしまうか、また取れない場合にも虫歯は中で確実に進行していきます。神経の無い歯の場合は痛み無く経過してしまい、数年後についに抜歯となるケースも決して珍しくありません。 ですから、虫歯が残っているなど、状態が良くないままでの差し歯の付け直しを希望する場合には、遅くても半年以内に改めて歯科を受診することを強くお勧めします。根本的な治療をしっかりとすることで、今後の歯のトラブルを防ぐことができます。