イラストマップで伝えるハノイの魅力
楽しく“はっぴー”な気分になってほしい
自分の好きな場所で好きなことを
ハノイで立ち上げた地図屋さん
幼少期からイラストやお芝居、ダンスなどで、何かを表現することが好きだった。
「自分の表現方法の中で『イラスト+文+地図』という描き方が一番人に喜んでもらえて役にも立つと思い、現在のスタイルで作品を作るようになりました」
後に、好きな国ベトナムについて描きたくなり、ホーチミン市への移住を決めた。
「ベトナムにはまったのは、以前旅行で訪れた時の出来事がきっかけでした。ホーチミン市でぼったくりにあって落ち込んでいた時、お金をくれと少年が近寄って来たんです。あげるお金はないから代わりに折り紙やサッカーをして一緒に遊びました。すると別れ際にキーホルダーをプレゼントしてくれて! そこからベトナム人に興味を持ち、次第に生活や文化にも魅かれていきました」
2016年にハノイへ移った後も、引き続きベトナムのイラストマップの制作を続けている。その地図が旅行者の参考にもなればと2017年7月に立ち上げたのがウェブサイト「ハノイの地図屋さん」だ。マップは無料でダウンロードでき、日本人目線でおすすめ店や名物料理をイラストで紹介。鈴木さんのベトナム愛が十分に伝わってくる。
「ベトナムには日本人に伝えたい魅力がたくさんあります。それを地図という形にしてどんどん発信できればと思っています」
「地図を見ました、ありがとう」
その声に支えられ、次なる目標へ
イラストマップの制作は、主にペンと色鉛筆を使用。描くエリアを決めて調査に出向き、下書きやペン入れなどを行い、1枚あたり1日弱の時間をかける。ところどころ文字の間違いがあったりするのは手描きならではのご愛嬌だ。
「しかしウェブサイトの開設と同時期に、旧市街にあるゲストハウスの運営を任され、友人とともに日本人宿『はっぴーはうす』として再オープンさせました。今はそっちの方が忙しくなってしまい、イラストマップの新作をなかなか公開できずにいるのが残念です」
ウェブサイトでもゲストハウスを運営していることは紹介している。喜ばしいこともあった。
「ゲストハウスまでわざわざ足を運んで、直接お礼を伝えてくださる方がいらっしゃるんです。イラストマップがあって助かったとか、見ていて楽しかったとか。まさか挨拶をしにきていただけるなんて思ってもみなかったので、本当に嬉しかったです」
そういった声を受けて、今はイラストマップをもっと作成したいという意欲が高まっている。
「現在はハノイが中心ですが、いずれはベトナム全土のイラストマップ本を手掛けたいですね」
鈴木さんの次回作に期待したい。
鈴木麻美(ざわわ) すずきあさみ
2017年7月にウェブサイト「ハノイの
地図屋さん」(http://mapshanoi.com)
を開設。現在は日本人向けのゲストハウス「はっぴーはうす」の運営にも携わっている。不定期ではあるが、日本語センターでベトナム人の子どもに向けて日本語の指導も行っており、「やりたいことはやってみる」精神で何ごとにも挑戦する姿勢を崩さない。
ウェブサイト:http://mapshanoi.com