ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説4月号

全国民に「ヘルスレコード」 定期健診で病気を早期発見へ

ベトナムで初めて、病気の早期発見を目的とした国民の「健康記録」を作成する取り組みが始まった。すでに北部2省で開始されており、今後全国に拡大する予定だ。 健康状態や身長・体重などのほか、視力、血液・尿、腹部超音波検査などの基本的な健康診断が実施され、記録は地域保健所で保存されるほか、クラウド保管される。 (『Tuoi Tre』2017年2月8日、p.14/9日、p.03)
解説 先進国と比べ医療がまだまだ遅れているベトナムでは、国民の健康管理に関しても課題が多く残ります。労働法では、従業員の健康診断を少なくとも年1回行うことを定めていますが重視しない雇用者は多く、運転免許証の取得や就職時などに提出する健康診断書もかなり形式的になっています。 最近は病院での電子カルテ導入も進みつつあるようですが、従来ベトナムでは患者のカルテが病院で保管されていません。「診療手帳」といった名称の冊子に記録を書き込み、これを個人で保管しているので、長期、 継続的な記録がしっかり残されていないという問題があります。 今回の「ヘルスレコード」は、国民の健康状態を定期的に確認し、病気を早期発見することが目的です。ベトナムではガン患者の70%がかなり進行した段階で病院にかかることが多く、死亡率も高い現状があります。また全国的に健康診断を実施することで、病気の地域別の状況や罹患率、先天的・遺伝的な病気に関する総合的なデータが取得できるようになり、国民の健康の維持・管理において大きな一歩と言えるでしょう。

テトの国内線 ベトジェットが取り扱い最多

航空局によると、旧正月テト(Tet)6日間の全国の空港の離着陸は1万300回で前年を12%上回った。利用者は147万人で20%増、うち国内航空各社の取り扱いが66万9000人で15.6%増。 国内線のシェアは、ベトジェットエア42%、ベトナム航空35%、ジェットスター・パシフィック航空20.7%、ヴァスコ(VASCO)2.3%。 (『CafeF』2017年2月3日)
解説 世界的に新路線の就航が相次ぐLCC(格安航空会社)。ベトナム便では、「ジェットスター・パシフィック航空」がホーチミン市—オーストラリア直行便、「ベトジェットエア」がダナン—ソウル線、ハノイ—シンガポール線の就航を発表。日系では「バニラエア」が2016年9月から成田—ホーチミン市線(台北経由)を運航しています。 2014年にベトナムで行われた消費者調査によると、LCCが選ばれる最大の理由は「価格の安さ」で、その他は客室乗務員(CA)・サービスに親しみを持てる、プロモーションが多い、 若々しいブランドイメージなどが挙がりました。2011年に運航を開始した航空会社「ベトジェットエア」は、2013年にエアバス100機を発注したことで話題となり、ショートパンツ姿のカジュアルなCAや機内でのビキニダンスショー、航空券のセールなど話題作りの上手さが光ります。 一方、LCCに乗らない理由には「遅延・欠航の多さ」が挙がりましたが、「大手でも欠航する」、「大手の価格に比べれば遅延は大したことはない」という意見もあり、何に重点を置くかは人それぞれのようです。
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