ベトナムの日本人/中谷茜理/YouTubeチャンネル『aNcari room』運営

ベトナム語で自分の言葉を世界中に発信 一歩足を踏み出したら、新しい景色が見えてきた!

Japanese 始まりはベトナム人の 親友との出会いから 「次はあれをやってみよう、こんなこともやってみたいなど、生活の中で動画の題材を探すようになりました」 中谷茜理さんは2017年6月より、動画サイト・ユーチューブ(YouTube)でチャンネル「アンカリルーム/aNcari room」を運営し、ベトナム生活で面白いと感じたことなどをベトナム語で発信している。 留学生と日本人が半数ずつ在籍する立命館アジア太平洋大学在学中に、ベトナム人の親友ができたことが、ベトナムとの縁の始まりだった。 「3回生の夏休みに初めてホーチミン市を訪れ、ベトナム人の人懐っこくてフレンドリーなところにハマりました」 4回生になって本格的に始めたベトナム語も最初「なんとかなるだろう」と高を括っていた。しかし、想像以上の難易度に「なんだ、この言語は⁉、って(笑)。オウムのように言葉を真似して、とにかくベトナム語を口に出そうとしました」 不安や焦燥感を抜けて 見つけた自分なりの進路 同級生が就職活動を始める姿を見て、「私もこのまま日本で就職するのかな」などと悶々としていた頃、「始めたばかりのベトナム語ももったいないし、ベトナムへ行くのもいいかもしれない」と閃き、卒業後の2016年5月にベトナムに渡った。 その決断は「就活から逃げているだけでは?」、「地に足つけたほうがいいよ」などと揶揄されることもあったが、「逃げからの選択ではなく、自分のやりたいことを実現するための選択だと胸を張って言えます」とはっきりとした口調で語る。 友人宅に居候し、語学学校に通いながら「アンカリルーム」をスタートさせた。 「文化の違いや面白いと思ったことをシェアしたいなと。新しいことに寛容なホーチミン市の雰囲気にも後押しされました」 約5分間の動画の編集に約8時間かかるなど、改善の余地は多いが、「私の行動に勇気をもらったというメッセージが届くとか、コメントなどの反響がモチベーションになります」 寄せられた質問に答えた『Q&Aベトナム語で話します』の動画は再生数が12万6000回を超え、日本人やベトナム人からの応援コメントが多数寄せられている。 多くの人の目に触れる場に動画をアップすることはリスクも伴う。 「偏見や発言の仕方で誰かを傷つけてしまわないように気をつけています。その上で、物事のこういった見方もあるんだと、新しい視点を提案できたら嬉しい」と、声を弾ませる。  「いろいろな人に助けられて、今ベトナムで生活できています。貴重な経験だと思うので、動画には感謝の気持ちも込めているんです。ふらっと友達の部屋に遊びに来る感覚で見に来て欲しいですね」
中谷茜理 なかたにあかり 大阪府出身。大学卒業後、単身ベトナムへ。ベトナム語の勉強をしながら、ユーチューブへの投稿を行い、チャンネルの登録者数は1万人を突破。そのほか、「日越交流スピーチコンテスト」主催や、出張者のアテンドなどを通じ、ベトナムの魅力を伝えている。
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