ベトナムの日本人/石橋英晴さん/ソムリエ&「レッドエプロン」 コーポレートマネージャー

変化するベトナムでのワイン事情を見つめ続ける 原動力は“お客様に喜んでもらいたい”

[caption id="attachment_82499" align="alignnone" width="570"]Japanese_5707 「私が初めてベトナムに来た2005年と比べ、きちんと温度管理をしているワインショップが随分増え、ベトナム人の若者もワインを飲むようになりましたね」 2016年12月よりワインショップ「レッドエプロン/RED APRON」のコーポレートマネージャーを務める石橋英晴さんは、20代前半、アメリカの鉄板焼き店で勤務していてワインに興味を持った。当時は大瓶の“がぶ飲みワイン”が主流だったが、ワインと料理の相性に衝撃を受けたのがきっかけだ。帰国後の1990年には日本ソムリエ協会認定呼称資格を取得した。 初めてホーチミン市を訪れたのは、ホテル内にできる和食店立ち上げの仕事のオファーを受けたからだった。「ベトナムに来たかったというより、また海外でチャレンジしたかったので、仕事があるなら行こう、と」 2007年にはウィンザープラザホテルの日本人マーケットのマネージャーに就任。 「集客のため、2ヶ月に1度ワインディナーを企画しました。フルコースに合わせたワイン3種の飲み放題を付けて50万VND。口コミで評判が広まり、予約が殺到しました」  その後しばらくは運送業、製造業、不動産の営業を経験し、ワインは趣味としての楽しみに。実は、「この頃の経験が今も役立っている」と自信をのぞかせる。 「他業界を経験したことで、人のネットワークが広がりました。それぞれの業界の裏側を知り、ベトナムを多方向から見ることができたのもよかったですね」 2015年には知人の依頼で、東京のミシュラン一つ星のフランス料理店にてソムリエとして勤務し、現場復帰を果たした。別の仕事でホーチミン市に戻るも突然、会社都合で職を離れることになった時、声をかけてくれたのが「レッドエプロン」だった。 「実は新しい職場という気があまりしないんです。普段からよく買いに来ていて、どこに何があるかも知っていたので」 働き始めて特に感じているのは、ベトナムのワインを取り巻く環境の変化だ。 「2010年以降、経済も上向きになり、広がり方はすごいですね。特に富裕層や越僑の方たちのワイン消費量は日本人とは比べ物にならないほど多い。一気に何ケースも買われますし、舌が肥えていて、美味しいものを良くご存じです」 一方で、ワイン普及に関してはベトナムならではの問題も残されている。 「ワインは醸造酒なので、風味が輸送の状況に左右されやすい。店に搬入されるまでの様子は分からないので、お客様が『本当においしかった』と言って下さると、よい環境で運ばれてきたんだなとホッとします」 ソムリエの資格取得から27年目。 「ワインの仕事から離れていた間に変化したことは多い。いつも自信を持って勧められるよう、これからも勉強は続けます。お客様に喜んでもらいたい。それはいつも一番に思っていることですから」 すっと前を見据え、はっきりとした口調で語った。
石橋英晴 いしばしひではる 福岡県出身。アメリカでの飲食店勤務を経て、日本ソムリエ協会認定資格を取得。日本と海外を行き来しながら、ホテルや飲食店のマネジメント業を経験。2005年に来越して以降ホテル、飲食店などの勤務を経て、2016年12月より現職
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