#38 Đường Lý Chính Thắng／リー・チン・タン通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

反仏・反日の武装蜂起に尽力し 29歳で命を落とした若き革命烈士

リー・チン・タン（Ly Chinh Thang、1917～1946年）は、ベトナムの革命烈士。ハーティン（Ha Tinh）省フオンソン（Huong Son）県に生まれ、タインホア（Thanh Hoa）省とハノイで学んだ後、南部へ移り革命活動に参加。1929年初めにナムキー（Nam Ky／南圻）地区の「ベトナム革命青年会」に加入し、同年8月には同会メンバーが設立した「アンナム（An Nam／安南）共産党」に入党した。1930年にはインドシナ共産党の党員となり、本名のグエン・ダック・フイン（Nguyen Dac Huynh）をリー・チン・タンに改名。現在のホーチミン市周辺を指すサイゴン・ザーディン（Sai Gon-Gia Dinh）で活動を続けた。 1945年3月、党の中央と接触するため北部へ。反仏・反日武装蜂起の指示を受けて準備を進めた。 8月25日にサイゴンでベトミン（Viet Minh）が人民蜂起により権力を奪取。9月2日にグエン（Nguyen／阮）朝（1802～1945年）が崩壊し、ベトナム民主共和国が独立した（八月革命）。同年9月から半年にわたって第一次インドシナ戦争の前哨戦でもある南部抗戦（Nam Bo Khang Chien）が起きる中、1946年1月6日、初の選挙でサイゴン・チョロン（Sai Gon-Cho Lon）地区代表として第1期（1946～1960年）国会議員に選出。しかし1946年3月、フランス軍の攻撃を受けて重傷を負い、拷問を受けた。 1946年9月30日にチョーライ（Cho Ray）病院で死去した後、1949年4月25日にホー・チ・ミン（Ho Chi Minh）国家主席兼首相から二等独立勲章を授与された。現在、ホーチミン市には彼の名を冠した通りや小学校があるほか、故郷のハーティン省にも同名の高校がある。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学はライフワーク。日々、どローカルなベトナムライフを満喫中。