ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説1月号

ニントゥアン省の原発計画 中止が決定

国会は2016年11月22日(火)、ニントゥアン(Ninh Thuan)省における原子力発電所プロジェクトの実行中止決議案を可決した。 記者会見で政府は、他の重要プロジェクトに投資を集中させる経済的な問題のためで、安全性や技術のためではないと強調。支援パートナーの日本とロシアからも理解を得られたと説明した。 (『Tuoi Tre』2016年11月23日、p.03)
解説 原発開発計画が国会で正式承認されたのは2009年。支援パートナーがロシアと日本に決まり、人材育成など様々な準備作業が進められていました。元々は2014年着工、2020年に運転開始となっていた予定が大幅に遅れ、事業が難航していた面はありましたが、中止という判断に至ったのはやはり衝撃的で、力を入れていた日本にとっては大きな打撃と言えます。 福島第1原発事故を受け、より高く・安全な技術が必要になったことによるコスト増、建設費が決定時と比べ倍増しているなど財政的な問題が主 な理由として挙げられています。加えて、電力需要の伸びの低下、輸入電力や風力・ソーラーなど再生可能エネルギーの導入拡大、2016年4月に発生した製鉄所による海洋環境汚染、東海(Bien Dong)における問題なども含め慎重に判断したようです。 課題である電力でベトナムは近年、風力やソーラーを中心に再生可能エネルギーを活用したプロジェクトを多数進めているほか、社会問題のひとつであるゴミを使った発電に対する期待も高まっており、日本企業も参画しています。

休暇2週間も当たり前 各社のテト対応

首相が2017年のテト休暇を1月26日(木)から2月1日(水)の7日間と決めたことで、故郷が遠い工場労働者には、帰省にかかる時間に対して休暇が短いと感じる人も多い。ただし、この7日間というのは公務員に適用されるもので、企業は各社がそれぞれに休暇計画を決める。実際には多くの企業がもっと長い休暇を設定しており、2週間休みになる企業もある。 (『Lao Dong』2016年11月17日、p.01)
解説 ベトナム人にとって1年で最も重要なイベントである旧正月「テト/Tet」。例年、新暦1月後半から2月中旬に重なり、クリスマス、新正月、旧正月と約2ヶ月にわたって街中は賑やかな様子が続きます。 日系企業を含め各社は数ヶ月前からテトの準備に余念がありません。年に1度の長期休暇の帰省ラッシュを懸念し、会社で従業員の送迎バスを出したり、交通費を支援したりするのは珍しくなく、休暇をずらして交通混雑を避けたり、地方出身者の休暇を増やしたりする例もあります。従業員の 日頃の貢献に感謝を示そうと、年末年始にカラオケ大会や文化・芸術公演などのイベントを開く企業も多く、自社製品の割引販売や抽選会を実施したり、帰省できない従業員にプレゼントを贈ったりするところもあるようです。 誰もが待ち望むテト休暇ですが、帰省した従業員が休み明けに職場に戻らず、人材確保に悩む企業も少なくありません。戻らない理由は様々ですが、より給料の高い会社への転職や、地方出身者の場合は都会の生活費が高く、帰省したまま戻らないといった話もよく耳にします。
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