人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第21回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q. 「上司のネガティブな愚痴に毎晩つきあうのが、苦痛です」

ペンネーム：みかん聖人　 ♂　28歳

こんにちは、29屋さん。同じ社員寮に住み、いつも一緒にいる日本人上司について相談したいのですが、ほんといい人なんですけど、酒が入ると愚痴がネガティブで困ります。本社との軋轢や、ベトナム社会・ベトナム人スタッフに対する不満など、聞いているとこっちも滅入ってきます。どうしたらいいでしょうか?

A.「先行者の苦悩からは学びや気づき多し。ただし引きずられるなかれ」

モータースポーツや競輪で、先行者の直後にぴったりとくっついて走る「スリップ・ストリーム」という名のテクニックがあります。こうすると、自分が受ける空気抵抗が減って体力のロスが軽くなるだけではなく、先行者がかき分けて空気が薄くなったエリアに吸い込まれるが如く、自動的な加速が得られる。簡単に言えば、「先行者を『風よけ』にした、コバンザメ的楽ちん戦法」といったところ。貴男の場合、ご自分が未経験な社会人としての苦悩や、ベトナム駐在ならではのトラブルを、上司殿が「先行」して、バシバシ引き受けてくれているのですから、こんな気楽な立場はありません。ご自身が出世して「先行者」になったときの姿だと思い、研究＆後方支援をするのも仕事のうちと割り切り、ある程度はつきあってあげてください。ただし、他人の愚痴や弱音なんて、相手が誰であろうとも、聞いていて楽しいモノではないし、あまり真に受け過ぎると、貴男ご自身までも「他人の毒」に染まってしまいます。常に、上司殿と貴男二人だけでは、雰囲気も智慧も煮詰まってしまいますので、たまには外部に出て友人知人をつくり、気分転換や情報交換の相手の数を増やしていけば、より明るい話もできるし、困ったときの選択肢も多くなるのではないでしょうか？　どうしてものときは、「急用を思い出したので失礼します!」とでも言ってその場を離脱するのも、生活の知恵。ま、ガッツです。