ベトナムふしぎ発見！／ぽっちゃり系子どもは親の誇り？ 肥満児が社会問題になるその背景

子どもを太らせるためにあらゆる手をつくす親

ベトナムでは健康に関係なく、「太った子＝元気、かわいい」、「痩せた子＝食事不足、貧しい」というイメージがある。だから太った子どもに育てるのが一番大事。母親たちはわが子を近所や友人の子どもと比べて心配し、周りの人は子どもの体重で育て方の善し悪しを判断する。痩せた子どもの親は、批判的な冗談を言われることも多い。パニックになった親は医者に行き、水の代わりに砂糖入りのミルクを飲ませ、チーズや豚の脂身など高カロリーの食事をさせる。また、親が共働きの家庭では、祖父母に子どもを見てもらうことが多い。戦時中の辛い体験から、孫がお腹を空かせていないかを心配して、大量に食べさせたがるのだ。

学校でおやつ、運動不足…ホーチミン市で肥満児が急増中

ベトナム人の食習慣はファストフードの登場で変わった。食べ過ぎは良くないと知っている親は多いが、便利なうえ、「子どもたちが大好きだから」と甘やかせて食べさせてしまう。 もう１つの問題は、運動不足。学校では週3時間程度しか運動しないのが当たり前。さらになんと、小学生の時から校内の売店でおやつが買えるのだ。7～17時までずっと教室で座り、休み時間にお菓子を食べ、家ではテレビやインターネット三昧。ホーチミン市では小学生の半数以上が肥満傾向にあるという。