ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説5月号

ホアンサー諸島での ミサイル部隊展開で中国に抗議

中国がホアンサー(Hoang Sa)諸島で軍用ヘリコプター基地を建設し、ミサイル部隊を展開させた問題について、外務省担当者は2016年2月19日(金)、中国大使館の担当者にベトナムの主権を侵す活動に抗議する書簡を手渡した。 国連ベトナム代表部もこの日、外務省が中国大使館に出したこの公文書の公式配布を国連事務総長に求めた。 (『Tuoi Tre』2016年2月20日、p.20)
解説 国際社会の非難を無視し、東海(Bien Dong)における行動をエスカレートさせる中国。2015年には4月にグエン・フー・チョン(Nguyen Phu Trong)書記長、9月にチュオン・タン・サン(Truong Tan Sang)国家主席が訪中し、11月には中国の習近平国家主席が訪越して、「状況を複雑化させず、軍事化せず、両国首脳の合意を厳粛に実行する」ことが改めて確認されましたが、中国は自らこれを無視し続けています。中国船によるベトナム漁船に対する妨害 行動も一向に止みません。 これらの行動にベトナムはその都度、ベトナムに領有権があることを主張し、中国の行動を非難。平和的な解決を呼びかけています。 今回のミサイル部隊展開に外務省報道官は、「中国の行動を極めて懸念している。ベトナムの主権を深刻に侵害する行動であり、地域の平和と安定、東海の安全保障、航海・航空の安全・自由に脅威をもたらし、誤った行動を直ちに中止するよう求める」と強調しています。

小学校で日本語を第1外国語に ハノイの3校で試験導入

在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館、国際交流基金ベトナム日本文化センターは教育訓練省と協力し、小学校3年生から第1外国語としての日本語教育導入を目指す。 2016~2017年度より、ハノイ市内の3つの小学校で各校2クラスずつ試験導入し、この結果を踏まえて順次、他省市で拡大する。 (『Thanh Nien』2016年3月2日、p.02)
解説 在ベトナム日本国大使館によると、初等教育への日本語の導入は世界でも多くなく、東南アジアでは初の試みです。ベトナムでは2003年から一部の中学校で日本語教育が導入されており、国際交流基金によると学習人口は4万7000人弱で世界8位(2012年)、2003年の約2.5倍に増えています。 学習のきっかけは日本のマンガやアニメなどが多いようですが、日系企業への就職・転職を目指して、働きながら日本語学校へ通う人も珍しくありません。日本に留学する人も非常に 多く、日本学生支援機構(JASSO)によると2014年5月現在で2万6439人となっており、出身国・地域別留学生数で2位につけています。 日本語以外ではもちろん英語の人気も高く、低学年から英語学校やインターナショナルスクールに通う子どもが大勢います。北部ヴィンフック(Vinh Phuc)省の中学校・高校34校では1年生向けに、2016年3月から数学の授業を対象としたベトナム語、英語による試験的なバイリンガル教育が始まっています。
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