人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第17回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「え、やりすぎた？　自分探し中の若者に説教かまして、自己嫌悪中」

（ペンネーム：はじまりは、いつも酒　♂　34歳）

はじめまして、29屋さん。先日、妻の日本の知人から頼まれて、各国を貧乏旅行中の若者（24歳♂　会社辞めたて）を我が家に泊め、ご飯を食べさせたり、私の知人の集まりにも伴ったりしたのですが、些細なことで私が彼の言動にカチンときて、酒の酔いに任せて激しく説教してしまいました。その場はドン引き。妻にも白い眼で見られ、彼がベトナムを去った後も自己嫌悪が消えません。どうすればよいでしょうか？

A.「猛省すべきは、たった一点。奥さんの顔をつぶしたことだけです」

まず貴男が宿屋か夜回り先生でもない限り、好き好んで仕事を辞めて旅行＝つまり遊んでいる他人の若者をもてなしたり、迷いから醒める人生の指針を与える義務はないです。何をどうカチンと来たのかはわかりませんが、どうせ呑気で浮世離れした若僧のタワゴトが癇に障った類の話なのでしょう。まあ別に、気を遣って我慢する必要もありませんが、一宿一飯以上の義理が生じている弱い立場の小僧っ子を必要以上に追い詰めるのもカッコよくはないので、自分で「やりすぎたかなー」とか、自覚してたらいいんじゃないでしょうか。その若者の方も、この程度で落込むならば、ある種の図太さが必要な貧乏旅行には不向きです。今頃、どこかの国でたくましく、少しは上手に立ち回って生きていることを祈りましょう。ただ、問題は、そこではなく、今回の件で、日本からその若者を預かるよう依頼したお知り合いに対する奥さんの面目を、貴男が木っ端微塵にぶっ壊したということのほうが、むしろ危険です。今更やってしまったことは取り返しがつきませんが、奥さんのメンツに対するケアだけは忘れずに。その上で、今後「ベトナムに住んでるから」というだけで、好ましからざる寄宿者をホイホイと奥さんが受け入れないよう、「彼の何が貴男を怒らせたのか？」&「自宅に泊めるのは親戚か大親友の子どもまで」等の線引きを話し合っては如何でしょうか?　ガッツです!