人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第12回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「将来結婚はしたい。でも、いつかベトナムに戻りたい彼女 vs まったくその気がないボク」

ペンネーム：茶畑が俺を呼んでいる　♂　27歳

29屋さん、こんにちは。私は今、ベトナムに半年間限定の長期出張中です。当地で別会社に働いている日本人の恋人ができ、おたがい将来を真剣に考えているのですが、ひとつだけ意見が合わないのは、帰国→結婚した後の生活についてです。私は日本を離れて暮らしたくないのに、彼女は「ベトナム駐在の希望出して!　ダメなら結婚しない」とのこと。私は、英語もしゃべれないし、地元が好きなので海外は出張だけでいいのです。どうすればよいでしょうか?

A.「かみ合わない利害の隙間を埋めるほどの、愛情はありますか?」

若い皆さんの中には、すべての「死なない恋」は愛に変わって、その行き着くゴールが結婚であると信じている方も多いことかと存じますが、なかなかそうもいかないのが、人生の難しいところ。結婚とは、愛情を動力源としたチーム契約であり、お金、冠婚葬祭、ご近所づきあいといった荒波を共に泳ぎきるには、それ相応の覚悟とコンセンサスが必要です。ただ単に「好きだから」「楽しいから」だけで一緒にいられるものでもありません。彼女さんがそこまでベトナム駐在生活を希望するおおもとは、本人の好奇心か奢侈（しゃし）な生活か。はたまた貴男をBIGに育てたい内助の功のつもりなのか。これほどの相違に目をつぶって結婚に突っ走れば、どちらか一方が将来、大噴火を起こすのは確実です。ここは結論を白紙にして、帰国後はいったん距離を置いてみてはいかがでしょうか？

出会うべき人ならば、別れても、必ず、また会えます

野心を持たない夫を無理やり炊きつけて、悲劇に導いたマクベス夫人然り。王室の暮らしになじめずに離婚し、最後は燃え尽きるように一生を終えた故ダイアナ元皇太子妃然り。片方の大望や事情を無理やりパートナーにけしかけ成就しようとも、それが夫婦の身の丈にあわなければ、不幸が一生続きます。貴男と彼女さんの場合、まだ、世間体とか共有財産とかそんな面倒なもんがなーんにもなくて、ただただ、ここ数ヶ月間、ベトナムという異国の地で共に過ごした記憶があるだけなのでしたら、是非もありません。互いに別の道を行き、数年後、彼女さんの気が済んで「もう日本から出たくない」と言い出す日を待って、再度求婚してはいかがでしょうか？　それまでに、おたがい、もっと価値観の合うパートナーと出会うかもですが。ま、ガッツです。