2015.09.24

【ホイアン】学問の秋はタインハーテラコッタパークで素焼きを学ぶ

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ホイアンから車で約15分。2015年4月末、素焼きで有名なタインハー(Thanh Ha)村にテーマパークが完成した。その見どころを紹介!
Cong Vien Dat Nung Thanh Ha/住所:Nam Dieu, Thanh Ha Ward, Hoi An/電話:(0510) 396 3888/営業: 8:30~17:30/料金:無料/ウェブサイト:http://thanhhaterracotta.com
撮影・文/隅野史郎

素焼き技術の進化を見る

サーフイン・チャムテラコッタ Sa Huynh – Cham Terracotta 初期鉄器時代のサーフイン文化の遺跡が残るタインハー村。当時、埋葬に使われていた素焼きの甕(かめ)が、後にこの地域を治めたチャム族に広がる。その後16世紀頃に入植して来たベトナム人に伝わり、素焼きの村となった。 そんな技術進化の変遷などを見られるのが、入り口正面右手の建物の3階にある「サーフイン・チャムテラコッタ」コーナー。両時代の発掘された素焼きが展示されている。 村では現在もホイアンのレンガや瓦、土鍋、土産物などを生産している。 Teracota013注目の展示物は、割れた状態のまま発掘された素焼。その断面からは外側、中、内側と色が違うのが見て取れる。当時の火力や焼き方を知るための貴重な資料だ

巨大テラコッタレリーフで村の生活を知る

タインハー村工芸博物館 Bao Tang Lang Nghe 正面の建物の3階が博物館になっていて、貴重な素焼きの陶器や内部構造などが分かる焼き窯のジオラマなどが展示さている。 否が応でも目に飛び込んでくる素焼きで作られた巨大なレリーフは圧巻。村の全体図や村民の生活風景、土の採取から素焼きを作り売るまでの過程を表現したものなど全部で5点。その大きさは、なんと高さ2.8m、幅5mというから驚きだ。丁寧に描き込まれているので、一つひとつじっくりと鑑賞してみてほしい。 Teracota010素焼きは決して楽な仕事ではないが、レリーフに描かれる村人たちは皆、幸せそうな顔で描かれている。素焼きを愛する村人たちの思いがひしひしと伝わってくる

世界各地のミニチュア有名建造物を観賞する

タインハーワールドスクエア Thanh Ha World Square ホイアンの日本橋やフエの王宮、ミーソン(My Son)遺跡のチャムタワーといった中部ベトナムの世界遺産はもちろん、カンボジアのアンコールワット、ニューヨークの自由の女神、インドのタージマハールなど世界各地の有名建造物が素焼きのミニチュアで再現されている。日本の建造物では、広島の厳島神社・大鳥居が展示されている。 Teracota018「これを素焼きで作れるのか!」と感嘆するほど手の込んだ展示。厳島神社の大鳥居は、あまり目立たない所にあるので、ちょっと見つけづらいのが残念

村の未来に思いをはせる

若手アーティストが作った作品 Future Works of Art 斜陽産業である素焼き業界。同園のオーナーは「素焼きの魅力を多くの人に伝えたい」という思いからこの施設を設立した。伝統に縛られず、新しい発想と素焼きを組み合わせた斬新な商品作りを通し、村の将来に繋げていきたい。その理念のもと、世界中の若いアーティストに広く門戸を開き、作品を展示するコーナーを設けている。

Teracota019レー・クオック・フン(Le Quoc Hung)氏による芸術作品「貔貅(ひきゅう)/Ty Huu」

素朴な素焼きの素朴な疑問
ベトナムを代表する北部のバッチャン(Bat Trang)焼きや南部のソンベー(Song Be)焼きは、上薬を塗り焼き上げるため、強度も艶もあり美しい。一方タインハーは一貫して素焼き。理由は、上薬を塗って焼くためには大きな火力が必要となり、その燃料となる木材が村近辺で手に入りにくかったからだという。