#22 Đường Hồ Tùng Mậu／ホートゥンマウ通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

ホー・チ・ミンの同志として革命活動に傾倒した行政監視官

ホーチミン市1区のホートゥンマウ(Ho Tung Mau)通りは、フランス植民地時代の中頃までグエン（Nguyen／阮）朝（1802～1945年）時代のフランス人宣教師の名をとって「アドラン（Adran）通り」と呼ばれていた。1920年からはフランス空軍のエースパイロットの名から「ジョルジュ・ギンヌメール（Georges Guynemer）通り」、1955年からはグエン朝の将軍の名から「ヴォー・ジー・グイ（Vo Di Nguy）通り」と呼ばれ 、1985年4月に現在の「ホートゥンマウ通り」へ改名された。 ホー・トゥン・マウ（1896年6月15日～1951年7月23日）は、仏領インドシナの革命活動家で、ベトナムと中国の共産党員。ゲアン（Nghe An）省クインルー（Quynh Luu）県に生まれ、愛国家の父の影響で革命活動に傾倒した。1919年からラオスやタイ、中国へ密入国し、1923年にレー・ホン・フォン（Le Hong Phong）らと共にフランスからの独立を目指す青年革命団「心心社／Tam Tam Xa」を結成。翌年、広州でホー・チ・ミン（Ho Chi Minh）と出会い、同氏のもとで革命活動を本格化した。 1931年に投獄されたホー・チ・ミンの釈放に尽力し、その後ベトナム民主共和国の初代国家主席となった同氏の招きで政府の職務に就く。1949年12月からは行政監視官として政府の重役を務めたが、1951年７月23日、タインホア（Thanh Hoa）省ティンザー（Tinh Gia）県での執務中、フランスの空爆を受けて死去。死後、生前の功労を称えてホー・チ・ミン勲章およびベトナム最高位の金星勲章が授与された。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学はライフワーク。日々、どローカルなベトナムライフを満喫中。