宝の山☆市場へ行こう/【第9回】 魚醤・蝦醤(シャージャン)

ichiba-logoベトナム全土には2000ヶ所以上の市場がある。まさに庶民の暮らしを支えるワンストップ・ショッピングモールだ。ベトナムの市場を知り尽くした「市場探検家・チョーさん」が宝の山といえる市場で見つけた食材を紹介。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA蝦醤の宝庫、フエのドンバー(Dong Ba)市場

ベトナムには豊富な魚醤(ヌックマム/Nuoc Mam)・蝦醤(マムトム/Mam Tom)が存在します。特に、中部エリアの食文化は、蝦醤をなくしては語れません。こうした地場の産品は市場で量り売りされるほか、容器に入れられ広く流通・販売されています。 作り方は、日本のしょっつるや、アミエビの塩辛等と同じ原理で、魚やエビを塩漬けし、じっくり発酵させます。塩分濃度が高いので、他の雑菌は繁殖できず、発酵によりうま味成分が生成、凝縮されるわけです。漬けダレとして多く利用され、料理に応じて砂糖やブタの脂と一緒に炒める等、各家庭によって思い思いのタレを作ります。 思えば日本でも、イカの塩辛があれば、ご飯が何杯でもいけるという話がありますが、炒めたネギに魚醤、砂糖、コショウを加えて煮詰めた「Nuoc Mam Kho Quet」という家庭料理は、塩辛以上のご飯の友。ゆで卵を魚醤の中で、ぐずぐずに崩して、ゆで野菜を漬けて食べる北部風のアレンジも最高にうまいです。 小ナスの漬物についてくる紫色の漬けダレを味見して、完全にノックアウトされた方も多いと思いますが、この国の漬けダレの奥深さには、もう一度チャレンジしていただきたいと思います。 さあ、宝の山、ベトナム市場の探検に出かけましょう!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA売り場には立派なエビを漬け込んだ桶が並ぶ

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