#19 Đường Phạm Ngọc Thạch/ファムゴックタック通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

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ベトナム民主共和国の初代保健相政治と医学に生涯をささげた英雄

vn-history-logo ファム・ゴック・タック(Pham Ngoc Thach、1909年5月7日~1968年11月7日)は、医師・医学博士で、ベトナム民主共和国(1945~1976年)時代の保健省の初代大臣。妻はフランス国籍で看護師のマリー・ルイーズ(Marie Louise)。 ビンディン(Binh Dinh)省クイニョン(Quy Nhon)市生まれ。早くに両親を亡くしたファム・ゴック・タックは、姉のサポートで医学の道へ進み、ハノイ市医科大学とフランスのパリ医科大学を卒業した。フランスの病院で医師として勤めた後、1936年に帰国。自ら診療所を開き、多くの患者の人気を集めた。 診療所が軌道に乗ると同時に、愛国活動に参加するようになり、インドシナ共産党の一員として1945年8月の8月革命で成功を収めた。その後、初代保健相に続いて政治と医学における数々の役職を担った。保健省では、初代(1945年9月~12月)と1959年5月~1969年3月の2度にわたり大臣を務めた。 1968年11月7日、腹膜炎とマラリアを併発し、タイニン(Tay Ninh)省で死去。国葬が行われた。 政治的な活動だけでなく、公衆衛生や人々の健康といった医学分野の研究でも大きな功績を残したファム・ゴック・タックは、1958年に医学分野で初となる労働英雄の称号を、また死後の1997年にはホー・チ・ミン賞を授けられた。 現在、ホーチミン市をはじめベトナム各地に、ファム・ゴック・タックの名を冠した通りや病院が存在している。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学とベトナム書道はライフワーク。日々はどローカルライフ。