#17 Đường Phạm Ngũ Lão／ファムグーラオ通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

元軍を撃退した陳朝の名将軍歴代皇帝から愛された国民的英雄

ファム・グー・ラオ（Pham Ngu Lao／范五老、1255～1320年）は、チャン（Tran／陳）朝（1225～1400年）の第3～5代皇帝に仕えた将軍。現在のフンイエン（Hung Yen）省アンティー（An Thi）県出身。同時代の将軍チャン・フン・ダオ（Tran Hung Dao／陳興道）の寵愛を受けた。妻はチャン・フン・ダオの養子。 大越（1054～1804年）がモンゴル（元）軍に侵攻された2、3回目（1285年、1288年）をチャン・フン・ダオのもとで戦い、特に3回目の侵攻では自ら率いる伏兵により食料確保と拠点防衛が困難となった元軍の陸路の逃げ道を絶つことに成功。 さらに陳軍は水路も阻止し、1288年3月の白藤（バクダン／Bach Dang）江の戦いに勝利して元軍を撃退した。その後、歴代皇帝からも力を認められて軍の指揮官などを任され、陳朝における数々の戦いで勝利。第4代皇帝チャン・アイン・トン（Tran Anh Tong／陳英宗）はファム・グー・ラオの娘を妾とした。また、読書家でもあり、軍人としてだけでなく詩人としても力を発揮し男の意志や愛国心を詠った。 1320年、66歳で死去。最後に仕えた第5代皇帝チャン・ミン・トン（Tran Minh Tong／陳明宗）は、5日間にわたり公務を控え喪に服したという。 ホーチミン市の同通りはバックパッカー街として知られ、昼夜を問わず世界各国の観光客で賑わっている。なお、同市のファムグーラオ通りとチャンフンダオ通りは交わるように配置されている。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学とベトナム書道はライフワーク。日々はどローカルライフ。