人生相談29屋にきけ！ フォ!!!! ／第05回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「アフター５の格差社会!? 現地採用の給料では人づきあいがキツイ（泣）」

はじめまして、29屋さん。最近、ベトナムの物価が上がりすぎて、現地採用の身には、いろいろと厳しい生活事情なのですが、特に困っているのは、週に何回かある友達とのゴハン会です。私の周りの友達は、駐在員や外資系の高給取りが多く、気軽に新しくオープンした店や高級な店での飲み会を企画するのですが、正直、敷居が高いです。でも、参加しないと、周りに取り残されるような気がして不安です。どうすればいいのでしょうか?

A.「収入を増やすか、支出を減らすか。あるいは友達を選ぶか」です

人脈作り、情報収集。さらには気晴らしも兼ねた、異国暮らしの飲み会・ホームパーティーというイベントは、決して、ただの暇つぶしや奢侈贅沢ではなく、むしろ日本で暮らしているときよりも、人それぞれのレベルで、重要性の高いものであることは、言うを待ちません。ただし、今回の貴女のお悩みの如く、自分の生活レベルやスタイル・趣味嗜好に合わない類の集まりに顔を出すことは、経済的・精神的な負担がしばしば発生するもの。たまに畑違い、業界違いの場に呼ばれて、世界を広げてみるのはいいでしょうけど、毎回ともなると、いつかは流れ星が大気圏突入で燃え尽きるが如く、無理がたたって財布と心が擦り減ってしまうことでしょう。 そもそも、本当に気ごころが知れた友達同志なのであれば、貴女の懐具合を勘案したうえで、無理のない場所を選んでくれるのではないでしょうか？　そうでないなら、明らかに、「彼らの世界」に貴女が、無理してついて行こうとしているわけなのですから、やはり、ご自分の身の丈をわきまえた上で参加するイベントを選ぶべきなのではないかと、おすすめする次第です。

それでも尚「高きに合わせたい」のであれば…

とはいえど、実際、高級できれいな店の方が美味しくて楽しいですし、世にあふれるコンサルタント本のほとんどにも「金持ちになりたいなら、金持ちの行く店で、金持ちの食べるものを食べろ」的な論法がまかり通っています。 北風がバイキングを鍛え、冬の寒さがワインを育くんだが如く、孤独と焦燥に耐えながら、己を大きく育てる努力をするのも人の道ではありますが、貴女にそんな苦行をするつもりがないのであれば、人に借金をしない＆見栄を張りすぎないようにしながら、行けるところまで楽しんでみてもいいと思います。いずれ、飽きが来るか、「次の場所」を目指したいという「飢え」が芽生える日まで。ガッツ！

【今月の言葉】「酒が作り出した友情は、酒のように一晩しかもたない」byローガウ