ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説 12月号

人口9000万人に、 世界14位・東南アジア3位

 保健省人口・家族計画総局によると、2013年11月1日(金)にベトナムの人口は9000万人に達した。人口の多さで世界14位、東南アジア3位となる。女性1人あたりの出生数は2~2.1人、2050年に1億1000万人に達し、うち65歳以上が18%を占める見通し。 (『Sai Gon Tiep Thi』2013年11月1日、p.02)

r解説

ベトナムは、インドネシア、フィリピンに次ぎ東南アジアで3番目に人口が多く、内需を狙った外国企業の進出が増えています。2050年には、日本に近い市場規模になると言えます。   一方で、人口の多さや若さが特長とされることが多いものの、「二人っ子」政策や、都市部での出生率低下から、少子高齢化の問題もすでに懸念され始めています。統計総局によると、総人口に占める15歳未満の割合は1989年の39.2%から2012年は23.9%に減少、一方で65歳以上は4.7%から7.1%に増えています。   合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子どもの平均人数)は、2002年の2.28人から2012年は2.05人に低下、特に都市部で低くなっています。収入的に厳しい、仕事を優先したい、1人の子どもに最良の条件を整えたいなどの理由から、子どもは1人と決めている夫婦も多いようです。

6割超が赤字、 企業の困難変わらず

2013年9月時点で、現在活動している約45万社のうち66%が赤字を出している。財務省とベトナム商工会議所(VCCI)、北部企業約500社による対話で、財務次官が明らかにした。   2012年末(69%)より減少してはいるが、政府が企業支援のため税の減免を講じているにもかかわらず、各社は依然として困難に直面している。   支援策はほぼメーカーのみに講じられているが、需要は弱く、消費が伸び悩んでいる。統計総局によると、10ヶ月の小売・サービス売上高は実質的に5.5%しか伸びていない。2013年のGDP成長率は2012年を上回る見通しだが、5%程度にとどまる見込み(『Nhip Cau Dau Tu』2013年11月4日、p.10、『Dau Thau』11月4日、p.03)

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2008年の世界同時不況により景気減速したベトナム経済。2007年までは年7~8%の成長を遂げていましたが、2008年以降は5~6%に落ち、2013年は9ヶ月で5.14%、年間でも5.3%程度の見通しです。   不動産や証券の下落、銀行の不良債権、国営企業の経営問題、個人消費の鈍化など様々な問題を抱え、これに対し住宅購入融資や不良債権処理会社の設置、国営企業の経営改革、農林水産業・輸出業を中心とする生産業への支援、金利引下げなど様々な対策を打っていますが、景気浮揚のきっかけを、なかなか見つけられないようです。   国会では2014年目標としてGDP成長率5.8%、消費者物価指数上昇率7%程度という数字を承認していますが、今後1~2年は高い成長は取り戻せないという見方がなされています。

飛行機での電子機器利用に 罰金500万VND

2013年12月15日(日)発効の民間航空分野での行政違反の処罰に関する政令147/2013/ND-CP号では、航空機内での喫煙や携帯電話の使用に対する罰金が、現行の5倍に引上げられている。   喫煙(電子タバコ含む)、使用が認められていない際の電子機器・電波を受発信する機器の使用には、300万~500万VND(約1万4290~2万3810円)の罰金が科される。現在は最高100万VND(約4760円)。   規定に反し非常口を開ける行為は罰金1000万~2000万VND(約4万7620~9万5240円)、救命胴衣など機内の物品を盗む行為は500万~1000万VND(約2万3810~4万7620円)。(『Tuoi Tre』2013年11月2日、p.02)

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格安航空券の普及や路線拡大とともに、飛行機の利用者が急増していますが、マナーを知らない“初心者”が多いのも事実。新聞でも、飛行機トラブルがよく報道されています。   搭乗手続きの列への割り込みに始まり、機内で禁止中に携帯電話の電源を入れたり、完全に止まらないうちに立ち上がって我先に出ようとしたり、アルコール類の一気飲みや続けざまのおかわりをしたり。座席を巡るトラブル、乗客同士の殴り合い、痴漢行為もままあり、ビジネスクラスで突然服を脱ぎ出す男性や、周囲に見せびらかすようにアダルトビデオを鑑賞したりする乗客もいるようです。   このように秩序を乱す行為には、最高300万VND(約1万4290円)の罰金が科される可能性があります。また泥酔客などが飛行機の設備を壊してしまうと、300万~500万VND(約1万4290~2万3810円)の罰金が科されます。   本人は冗談のつもりなのでしょうが、「荷物に爆弾が」などと発言し、荷物・飛行機の再検査で出発が数時間遅れるトラブルも度々発生しています。
情報提供「ベトナム最新情報」 TOHO CO., LTD. 日系進出企業向けのビジネスニュースを週6回配信。開始から13年、250社超の企業が定期購読。 ウェブサイト:http://www.toho.com
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