メディカルトーク/第104回 ウイルス感染で発症 C型肝炎

メディカルトーク症例

62歳の女性が定期健康診断を受け、C型肝炎と診断された。専門医と相談し、最新の治療薬を投与することに。約6ヶ月間の治療の後、完治した。

今回のドクター

グエン・ゴック・ソン(Nguyen Ngoc Son)医師/FV Saigon Clinic(消化器・肝臓内科)
①C型肝炎の感染経路は血液 C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症するウイルス性肝炎の一つ。血液を介して感染し、主な原因は以下が考えられます。 ①陽性患者からの輸血を受ける、②注射針の使い回しや麻薬のまわし打ち、③(医療従事者の場合)陽性患者に使用した注射針やメスの針刺し事故等、④性行為による感染(B型肝炎より感染率は低いと考えられています)、⑤母子感染、⑥不衛生なピアスの穴開けや入れ墨。また、原因不明は、感染ケースの30~40%を占めています。 ②知らぬまに進行し肝硬変やガンに 急性感染は多くは症状が出ませんが、全身の倦怠感、食欲不振、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)、尿の色が濃い、などの症状が現れる場合も。気を付けたいのは慢性感染です。患者の約85%はウイルス感染後、肝臓の炎症が6ヶ月以上続き、次第に細胞が壊れ慢性肝炎へと進行します。 C型肝炎は進行が遅く、感染後10~30年経ってから発病するケースが多く見られます。急性肝炎では症状が出ず気付かないため、知らないうちに病気が進み、肝硬変や肝ガンになることもあります。 ③検査方法と治療方法 血液検査で陽性だった場合、専門医による臨床診断を受けます。また、腹部超音波検査や、肝臓組織の一部を採取し診断する肝生検での肝機能検査のほか、ウイルス遺伝子(HCV/RNA)検査などで検査・診断していきます。 インターフェロン(Interferon)とリバビリン(Ribavirin)併用の抗ウイルス療法が一般的な治療法ですが、最近、欧米やアジアの一部の国でテラプレビル(Telaprevir)とボセプレビル(Boceprevir)という2種類の新治療薬が承認されました。既存の治療法よりも効果的で忍容性が高いことが認められています。ベトナムでは2013年9月からボセプレビルが正式に発売されています。
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