ベトナム人経営者の 気質/第23回/相手の熱を下げない/アイディアで関係を保持

本気度を知りたいベトナム企業

ベトナムと日本のビジネスでは、スピード感が大きく違うというお話は度々して参りました。初めての面談から与信審査も無く、取引量と単価を決めてしまおうとするベトナム企業側と、十分に商談を進めて契約書の詳細を作り上げて行く日本のビジネススタイルでは、大きな温度差が存在しています。   出張ベースでの面談を繰り返す内に時間だけが過ぎていく日本式のビジネスに、ベトナム企業が日本側の本気度を疑い始め、熱が急激に冷めて商談が上手く行かなく成るケースも発生してます。   折角探し当てたパートナー候補とのこの様な事態を防ぐためには、まず日本側の本気度を示すなんらかの手を打つ必要が有ります。例えば「秘密保持契約書」を締結するというのは有効な手順だと思います。ベトナム企業に対して何処まで商談内容の秘密が保持されるのか?という部分は疑問の残る部分では有りますが、ベトナム企業と商談を進めて行く上で、日本側の意思を示すには十分な手段だといえます。

親密さを保つための契約書を

一旦「秘密保持契約」を締結しておけば、ベトナム企業側にも日本側の本気度が高い事を示す事が出来、契約書の有効期限が切れるまで交渉窓口担当者を変更する事も無く、話を進めて行く事が出来ます。商談を進めて行く上で、メールによる交渉や遣り取りを進める場合でも、「秘密保持契約」が一応有効に働きますので、窓口担当者との関係を親密に保つ事も可能です。   ベトナムでビジネスを展開する場合、スピード感を持つ事は重要ですが、現地のスピード感に飲み込まれてしまう様な自体は避けなければ成りません。意思決定にはスピード感を持ち、詳細を詰める段階では相手の熱を下げない独自のアイデアとフォローを持って付き合って行く必要が有ります。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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