ベトナム人経営者の 気質/第21回 /家内工業的な運営から/ 組織的運営へと移行

管理職が育たないベトナム企業

経済成長を続けるベトナムで、一つ問題点を挙げるとすれば、それは管理職が育って来ないという点が挙げられるのではないでしょうか。それはベトナム人経営者自身の考え方が、家内工業的である事も理由の1つです。またどうしても管理職を育てて行くという部分に、強い意識を持って取り組む経営者が少ない事も原因と言えるでしょう。 ベトナム系企業の経営者の多くはワンマンな方が多く、社内でも1人だけ別格という雰囲気を漂わせている事が多く有ります。社長以外は周囲のマネージャークラスでさえ、ワーカーの延長線上という雰囲気です。

管理職として成長する意識は希薄

これは労働年齢が若いこの国の20代の若者達の中にあって、将来的にビジネスマンとして、高い地位を確立する事を夢として持っている人が余り多く居ない事も原因だと考えています。   30歳を過ぎるまで転職を繰り返す事で自分自身の短期的なキャリアを積み重ね、より条件が良いと思われる企業へ転職する事を当たり前の事と捉えています。自分自身が将来的に企業内でリーダーとして、また管理職として成長して行こうという意識やビジョンは希薄で、与えられ、言われないと動かないというベトナム人気質も有って、人材として育成されるべき時期に、精神的な部分も含めて訓練される事が無い事も管理職不在の原因として挙げるべきだと思います。   ローカル企業も会社が大きく成るにつれ、経営者の中に管理職の重要性を感じている敏感な方は存在しています。与えられたタスクのみを管理する作業管理者ではなく、タスクを責任持って運営する管理者を求める声も徐々にでは有りますが出て来ております。経営者の意識が家内工業的な運営から組織的運営へ、まさに今がその過渡期であると感じております。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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