【ハノイ通信】ハノイらしいテトのおやつ

press
ハノイでテト(旧正月)に食べておきたい、おやつを紹介。ハノイではテトのおやつは、来客と会話を長時間楽しむためのアイテムのようなもの。それゆえ、小さくて食べやすく、大量に準備できるものが好まれている。
HanoiPress_2_000

どんどん種類が増える人気の伝統茶菓子

オーマイ O Mai

ウメやアンズなどの果物を炒めてから乾燥させたもの。ショウガや砂糖などで味付けされたものが多く、日本の干しウメによく似ている。ショウガで味付けされたピリ辛のオーマイが、昔ながらの王道。普段からハノイっ子の間で食べられているが、来客が多いテトの時期は、どこの家庭もお茶請けとしてたっぷりと用意するそうだ。今では種類が増え、品揃えの良さでは、オーマイ専門の「ホンラム」が有名。

HanoiPress_2_004手前から左回りに「アンズ/Mo」3万VND(約150円)、「レモン/Chanh」3万VND(約150円)、「スターフルーツ/Khe」2万4000VND(約120円)、「ウメ/Dao」3万VND(約150円)。それぞれ200gあたり
Hong Lam 【ハンドゥオン本店】 住所:11 Hang Duong St., Hoan Kiem Dist. 電話:(04) 3928 1838 営業時間:8:00~22:00

実は、食べられます!

仏手柑 Trai Phat Thu

「仏の手」に見た目が似ていることからその名が付けられた、ミカン科の果実「仏手柑(ブッシュカン)」。ありがたい姿と香りの良さから、観賞用として栽培され、テトには祭壇に祀られる。そのまま食べるには渋すぎるため、使用後は、捨てる家庭がほとんど。しかし、欧米系のレストランでは、どうにかして利用しようと、試行錯誤の末、提供している店も。また、各家庭でも細かく刻んで砂糖で煮詰めると簡単にジャムが作れる。ジャムは、柚子茶のように紅茶に混ぜて飲むのもよい。のどや胃腸にとても良いという。

HanoiPress_2_008仏手柑のジャム。今年は捨てずに、ぜひ有効活用を

HanoiPress_2_001路上や市場、スーパーなど、冬場ならどこでも簡単に購入することができる。大振りのもので1つおおよそ7万5000VND(約380円)

テトには欠かせないベトナムと関連深いハス

ハスの実の砂糖漬け Mut Sen

ハスは泥から生えているにもかかわらず、その美しさから、仏教で神聖な花とされている。黄金に輝く「ハスの実の砂糖漬け」は、テトだけでなく、結婚式など祝い時には欠かせない1品だ。味、見た目は、日本の甘納豆にそっくり。また、疲労回復を図る薬効がある。

HanoiPress_2_002「ハスの実の砂糖漬け」7万VND(約360円)。箱の中で小分けにされていないため、開封後は瓶などに入れかえて保存を
Huong Sen 住所:15 Hang Dieu St., Hoan Kiem Dist. 電話:(04) 3824 6625 営業時間:8:00~18:30

いつも何気なく食べているけれど、実は「長寿」の象徴

(五香)ピーナッツ Lac Rang バーチエウ(Ba Trieu)通りに住む、あるお婆さんが、ピーナッツに香り付けをしたのが始まり。「五香ピーナッツ」ともよばれているが、一般的に認識できるのは、シナモンの風味のみ。この味にハマる日本人も多く、日本へのお土産にする人もいるほどだ。発祥地であるバーチエウ通りには小店舗が集中し、元祖は174と176番地の店。ピーナッツは体力増強を促すとされ、長寿の象徴である。 HanoiPress_2_0061袋3万VND(約150円)、白く砂糖でコーティングされたものは、1袋2万VND(約100円)。テトの時期は、店舗によって価格を値上げすることがある

COLUMN : お茶請けの魅力は味に限らず

テトのお茶請けの1つである「ひまわりの種/Hat Huong Duong」。普段からカフェなどで、必ずといっていいほど、皆が口にしている。その様子に失礼を承知で、堪えきれず質問。「ひまわりの種って味ないよね?」。即答で「ないよ!」。「食べるのに時間がかかるから、友達とゆっくり会話が楽しめるでしょ」。お茶漬けの魅力は味に限らず。