No.034 １ドルの食事／Nguyen Hong Duong

ホーチミン市1区で働きレストランでランチをするのは、優雅な生活に見えるかもしれない。だが、価格はちっとも安くないため、安い皿飯の「コムビンザン／Com Binh Dan」など手頃な内容が定番。どんな料理でも1US$前後が相場だ。 通りを歩いて1US$ランチの選択肢を探す。近くの「移動式」店舗はサンドウィッチが7000VND。予算の半額だが、お腹を満たすには２つ必要だ。道の反対側には会社員たちがおかずの前に列をつくり、低いテーブルでいつものランチを食べている。学校の周りで売られている軽食は、栄養価は疑問だが、生徒たちからは美味しさと安さで人気だ。 グエンディンチウ通りで、見覚えのある店に入った。ここで20年以上も営業していて、朝はコーヒーと麺、昼からは皿飯を売る。近くの銀行や建設会社の社員たちが常連だ。 「昼ごはんは済んだのかい？　いらっしゃい、たった2万VNDだよ！」と女性が言う。僕の先輩が店内に座って、食後の冷たいお茶を飲んでいた。彼も僕も、ひとまず何かをお腹に入れたいだけ。ちゃんとした食事は、あとで家で食べるのだから。

写真・文／グエン・ホン・ユオン サイゴン生まれのデザイナー＆カメラマン。旅行写真以外に、人びとや街を観察して、その経験を記録に残す。 http://r-kudo.blogspot.com

No.034 １ドルの食事 Nguyen Hong Duong

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