29屋的越南恋愛コラム/「進むべきか、退くべきか。/期間限定のベトナム滞在で、恋に落ちたなら?」/第14回

29屋的ベトナム恋愛コラム まだまだ発展途上な 「移民」社会inベトナム!

企業駐在員や、研修生、留学生などなど。数ヶ月~数年間と、「ベトナムで過ごす時間があらかじめ決まっている」という日本人は少なくない。 ところが、なにかのはずみか、運命か、気の迷いかによって、これらの若人&おっさんが、「俺、ここで ずっと仕事して、嫁もらって、死んだらメコンデルタの土になりたい!」と決意したとしても、なかなかそう簡単に本人の希望通りにはならない。 ベトナムは確かに、アジア有数の親日国だし、外国人が数年くらい暮らせる社会基盤も、どうやら整いつつある。しかし、その積み重ね も所詮はこの約10年の話。日系移民が5世ぐらいまで連なるハワイやブラジルはおろか、同じ東南アジアの「ようやく2世」なフィリピンやタイなどを後ろから追いかけながら諸事調整中の当地。「ホスト国の国民」が潤った上で、大勢の「移民」が余禄に与かれるほど社会の懐が深くなるには、まだまだ時間&試行錯誤が必要だろう。

恋をしないで過ごすには刺激が足りず、恋をするには難問が多い?

よって、この美人の多い国でも、最近、「どうせ日本に帰るんで、ベトナム人彼女とか作る気ないんですよ」という、よく言えば「自制心が強 い」、悪く言えば「安全運転すぎて、つまんねえ若年寄だな」的な日本の若者が多いのは、仕方がないのかもしれない。 しかし、醒めたリアリストが居る反面、「愛さえあれば、金がなくても、日本でもベトナムでもいいじゃない」的な、これまたよく言えば「ロマンチスト」、正直に言えば「ちっとは計画性を持てよ」みたいな若者も、同様に多い今日この頃。せっかく恋人ができても収入が十分じゃなかったり、本人&親族が「日本で暮らすのは絶対イ ヤ」と断固拒否されたり。 留まるも、進むも簡単ではないが、一体どうすりゃいいのか?

「何を捨てるのか?」で見えてくる、自分の「真実」

結局のところ、どう決意するにしても、「自分の人生で『最後まで捨てられないもの』」がわからない限り、納得のいく結末は迎えられないんじゃないだろうか? 自分にとって一番大事なのは、今の仕事での出世なのか? 趣味や余暇を楽しむことなのか? どこで暮らそうとも、恋人と一緒ならいいのか? はたまた、ベトナムで自力の一旗を揚げてみたいのか? まず向合うべき相手は、恋人でも社会でもなく、己自身の心。行くと決めた方向に漕出すことが 「若者の義務」であるならば、たとえ失敗したとしてもリカバリー&再挑戦が許されるのは「若者の特権」だ。 異国の地で苦しい恋をする者は幸せである。その闇を越えれば、自分が何者であるかを知ることができるのだから。ガッツ!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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