ヴィジュアル☆ベトナム/SO WHAT IS CONTEM PORARY ART?/で、現代アートって何?

ヴィジュアル☆ベトナム先月号では、主題的にも、審美的にも、知的にも内容が現代からかけ離れている「くだらない」アートについて文句を述べた。では、現代はアートとどのように結び付いているのか。逆にいえば、何が現代アートで、どれがそうじゃないのか。この複雑な質問に、かなり大まかではあるけれども、お答えしよう。 「現代アーティスト」は、現在生きている芸術家を指すだけではない。この逆を主張するギャラリストは信じないように。本質的に今という時代の社会的・芸術的問題と関係した作品に取り組む人々を指す。 例えば、何百ものなかから3つを上げると、ポスト植民地主義、技術と体の関係、ゲイの地位のような長く未解決の社会問題。またメディアが世界の見方を形成する問題など、視覚に焦点を当てる場合もある。 作品の主題ではなく、アートの既存の境界線を広げようとする試みによって現代アーティストだとみなされる人もいる。簡単な例をあげると、これまでは使われなかった素材―食べ物、サランラップ、使用済みのタンポン(ええ、実例です)などを使い、ギャラリーの外、つまり公共の場所やインターネットの拡散性を探る形で作品を発表する。オブジェクトや作品ではなく、一瞬しか存在しない「場」をつくるアーティストもいる。ハハッ、こういうのを買おうとしてみては? この説明がちんぷんかんぷんだとしても、現代アートに興味があるのなら、直接アーティストやギャラリストと話してほしい。展覧会のオープニングは彼らをみつける絶好の機会。「なぜ?」といった素朴な疑問からはじめて、恥ずかしがらず、あれこれ尋ねて彼らの作品を深く追求してほしい。どんなアーティストも、かまってもらいたいのだから。数ヶ月後には現代アートの概念、問題、言語によりなじめることだろう。 ベトナムの良質なギャラリーではカタログを出版している。幼少時のトラウマや、仕事のやり方、使用される素材についてよりも、作品の概念に注目して読んでほしい。生い立ちや作品へのアプローチなどはロマンティックだが、最近のアートはロマンではなく知的なものなのだ。 45 歳以上のベトナム人アーティストの大半は、現代アーティストというより近代的美術家。45 歳以下なら現代のアイデアを追求する芸術家だと期待できるが、それは受けた教育の質や知的な厳しさの程度による。これは次号で述べる現代アートの買い方にも関係がある。
Sue Hajdu スー・ハイドゥー オーストラリア人アーティスト、写真家、文筆家としてベトナムと日本で活動。 シドニー大学・日本学の学士号、同大学院視覚芸術の修士号をもつ。 www.suehajdu.com facebook: Sue.Hajdu.Projects
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