ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説 9月号

ベトナムニュース解説改正労働法の主要点

改正労働法は17章・242条からなり、現行法と比べ19条増加している。発効は2013年5月1日(水)、約1500万人の労働者に影響する。

大きな改正点は、女性労働者の産休期間の4ヶ月から6ヶ月への拡大。残業時間は現行制度が維持され、年間200時間以内(普通)、または300時間以内(政府が定める特例)。テト休日は従来の4日から5日に増えている。定年退職年齢は現行の男性60歳、女性55歳が維持される。

(『Lao Dong』2012年7月18日、p.01)

解説

現行の労働法は1994年に制定され、これまでに部分的な改正が行われてきましたが、2012年6月18日(月)に全面的な改正法が国会で採択されました。労働契約や試用期間の給与、就労時間など現行法の問題点を多数解決し、派遣労働や労働契約無効の場合といった、現行法にない規定も補充されています。

改正法によると、就業時間を週単位で定める場合、1日の所定労働時間は10時間まで、1日の就労時間は残業をあわせて12時間を超えてはなりません。1ヶ月の残業時間は最大30時間、年間では同200時間。企業の残業の必要性や労働者の収入増の需要から、年間360時間以内という案も出ていましたが、認められませんでした。

また試用期間の給与は現行の70%から85%に引上げられ、企業は給与コストの負担が増すことになります。

ベトナムでは旧正月のテト(Tet)休暇(1月下旬~2月中旬で年により異なる)以外に、▽新暦正月(1月1日)、▽フン王(Hung Vuong)命日(旧暦3月10日)、▽南部解放記念日(4月30日)、▽メーデー(5月1日)、▽建国記念日(9月2日)という祝日があります。改正法ではベトナムで就労する外国人に対し、さらに母国の建国記念日(1日)と民族の伝統の正月(1日)に休暇が得られるようになっています。

サッカーVリーグ、Jリーグとパートナーシップ協定を締結

ベトナムサッカー連盟(VFF)、ベトナムプロフットボール株式会社(VPF)は、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)とパートナーシップ協定を締結した。

Jリーグ側が、リーグ運営モデルの構築で支援し、運営部門の人材もベトナムに派遣。大東和美チェアマンは、「提携で両国の選手の親善試合や移籍の条件を整えていきたい」と話した。テレビ局VTCは2012年8月からJリーグの試合を生放送する。

(『Tuoi Tre』 2012年7月19日、p.14、8月7日、p.15、『Tin Tuc』 2012年8月8日、p.10)

解説

ベトナムでスポーツと言えば「サッカー」。街中では、大人も子どももボールを蹴っている姿をよく目にします。

サッカーベトナム代表のFIFAランキングは146位(2012年8月8日(水)付)ですが、東南アジアなどの大会で勝ち進めば、試合後にはサポーターたちが国旗を振り回してオートバイで街を駆け回ります。ベトナムのサッカーリーグ(Vリーグ)は2000年にプロ化、外国人も多数プレーしています。

ワールドカップやUEFA欧州選手権など世界的な大会も人気があり、大きな大会の前はテレビ販売が伸び、いざ始まると夜通しのサッカー観戦で仕事などに支障をきたす人も。シーズン中には欧州のサッカーリーグも多数放送されています。

アジアレベルの国際大会も近年よく開かれており、日本代表男子は2007年、女子は2008年のアジアカップでベトナムを訪れています。日本が2連覇を果たした2011年U-19女子アジア選手権もベトナムで開催されました。

アメリカ・ドイツ向けの
コショウ輸出が増加

2012年6月のドイツ向けコショウ輸出価格は7560US$/t。6月はほとんどの市場で輸出量と金額が5月に比べ下がるなか、ドイツは量で42%、金額で37%それぞれ増えた。前年同期比でも量は5%、金額は33%増加している。次いでアメリカへの輸出が多く、6月の輸出量は5月より減ったが、輸出価格は27%上昇し7260US$/tだった。

(『Doanh Nhan Sai Gon』2012年7月18~24日、p.07)

解説

ベトナムは世界1位のコショウ輸出国であり、世界の輸出量の半分以上(2010年)を占めています。特に有名な産地は、キエンザン(Kien Giang)省フークオック(Phu Quoc島)とザーライ(Gia Lai)省で、内外での知名度も高まりつつあります。

輸出量では大きなシェアを持つ一方、輸出価格は国際水準よりかなり低く、理由としては、ブランド力や保管・加工技術力の低さなどが考えられます。現在はほとんどが未加工の状態で輸出され、インド、マレーシア、インドネシアといった世界のコショウ輸出国は、ベトナムの未加工コショウを輸入し自国で加工した後、高値で再輸出しています。

コショウはベトナム土産として日本人にも人気ですが、日本への直接輸出は少なく、マレーシア、インドネシア、インドに次ぐ4位で日本の輸入量の3.3%(2011年)にとどまっています。

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