ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説 12月号

ベトナムニュース解析外貨建て価格表示、 違反は最高5億VNDの罰金

政府は、通貨・銀行活動の行政違反の処罰について規定した2004年12月10日付政令202/2004/ND-CP号の一部条項を改正・補充する政令95/2011/ND-CP号を公告。外貨管理および金販売管理に関する規定違反に対する罰金は最高5億VND(約186万円)となる。これまでは7000万VND(約26万円)。 『Nguoi Lao Dong』2011年 10月23日p.02

解説

ベトナムの公式通貨はドン(VND)。街中には米ドルでの価格表示が溢れていますが、ドル(外貨)での価格表示や取引、決済は、金融機関に対するものなど一部認められているケースを除き禁止されています。 このたびの改正政令95号では、規定違反の外貨建て価格表示に最高5億VND(約186万円)の罰金が科されるようになりましたが、これまでにも、外貨での価格表示や取引で処分されるケースは見られています。 また、ベトナム国内への外貨持ち込み(国外持ち出し)は、2011年9月1日(木)から、無申告で認められるのは5000US$(またはその他外貨相当額)までに引き下げられています(これまでは7000US$)。

10月のCPI前月比上昇率は 14ヶ月で最低

統計総局によると、2011年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比0.36%、昨年末比17.05%、前年同期比21.59%となった。 10月のCPI上昇率は、2010年8月以来最低となった。上昇は急速に落ち着きつつあり、11月は昨年11月(1.86%)のように高くならない良い兆候だ。 年ごとに見ると、10月のCPIは昨年10月比で21.59%上昇しており、8月(23.02%)、9月(22.42%)の前年同期比上昇率より低い。 『Thoi Bao Kinh Te Viet Nam』2011年10月25日p.04

解説

フォー1杯5000VND(約20円)――10年ほど前はこんな時代でしたが、今やリーズナブルなレストランでもフォーに5万VND(約190円)ほどとるのは当たり前、一般庶民向けの店でも2万5000~3万VND(約90~110円)といったところでしょうか。 近年著しい経済成長を遂げるベトナムでは物価も大きく上がっており、統計によると、前年12月比のCPI年間上昇率は2007年から10%を超える2桁上昇、2008年には約20%に達しました。 世界的に見ても高いインフレ率で、財務省によると2001~2005年平均は5.35%で世界67位、2006~2010年は11.5%で24位。2007~2010年(2009年を除く)は常に近隣諸国を上回り、2010年は11.75%に達してインドの1.5倍、中国の3倍、タイの8倍でした。 加速するインフレにベトナム政府は2011年2月、物価上昇抑制や経済安定化を目指した金融引締め、財政緊縮策を盛り込んだ決議11号を打ち出し、この効果は2011年後半から徐々に統計に反映されています。

出生率は北高南低、 最低はホーチミン市

人口・家族計画総局によると2010年、全国の女性1人当たりの出産数は2人だったが、ホーチミン市は1.45人で、全国で最も低かった。 ハノイは2.1人、地域的には東南部・メコンデルタの出生率が全国で最も低く、ロンアン(Long An)省では1.6人、バックリウ(Bac Lieu)省、カーマウ(Ca Mau)省では1.75人。 メコンデルタでは貧しい地域も多数あるが出生率は低く、北部のディエンビエン(Dien Bien)省やライチャウ(Lai Chau)省、ハザン(Ha Giang)省、中部のザーラーイ(Gia Lai)省といった経済が困難な山岳省では、3人となっている。 『Tuoi Tre』2011年 10月7日p.02

解説

人口の約半分が30歳未満と若年人口の多いベトナムでは、一昔前までは7~8人兄弟というのも普通だったようですが、近年は子どもは1人か2人、という家庭が多いようです。政府も二人っ子政策を推進しています。 底辺を0歳とする人口ピラミッドも1999年頃から底辺が縮小し始め、2009年時点で人口比率が最も大きいのは15~29歳(約30%)となっています。 一方、ベトナムの人口問題で大きなものに、家を継ぐ男子の尊重があります。この傾向は特に北部で強く、地方によっては出生時の男女比が女児100に対し男児130という例もあるようです。男児を強く望むがあまり、女児と分かれば中絶してしまう夫婦もいるそうです。
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