フランス植民地時代の建造物で1番好きなのは、ハノイにアールデコ(Art Deco)様式が到達したことの記念碑的存在である旧インドシナ銀行(現在のベトナム国家銀行/Ngan Hang Nha Nuoc Viet Nam)です。フランスの地方都市を思い起こさせるディンビエンフー(Dien Bien Phu)通りもいいですね。 それにしても、「フレンチヴィラ」とよばれる植民地時代の家屋には、粗悪な建築物がけっこう多いことに気がつきます。当時のフランス人は、ベトナム人を搾取するためだけの彼らの滞在がそれほど長く続けられるわけがないと、わかっていたのかもしれません。 ハノイ好きのフランス人たちはみな、その歴史的景観やキッチュさを愛しているようですが、私は生活様式であれ、建造物であれ、急速に変化を遂げつつある都市ハノイの、変化そのものに惹かれています。これまでハノイはただの行政的な首都にすぎませんでしたが、今後は本当の意味での国際都市になっていくと思います。人々の生活がより豊かになり、政府の規制緩和も進むにつれ、建築デザインの分野はさらに混沌としたものになるでしょう。今後もその変化を見続けていくつもりです。
ブリス・ベリアン 建築デザイナー 1971年、パリ生まれ。エスニックテイストのポストモダン建築やインテリアが、ハノイで人気の建築家。フランスの古典建築にも精通し、「ソフィテルメトロポールハノイ」のレストラン「ル・ボリュー/Le Beaulieu」の改装も担当した。サパ(Sa Pa)やホイアン(Hoi An)の「ヴィクトリアホテル/Victoria Hotel」も彼の手によるものだ。
リータイトー(Ly Thai To)通りの旧インドシナ銀行。八角窓などのベトナムの伝統的要素も随所に見られる
エスニック過ぎず、それでいてただのモダン空間でもない、ほどよい折衷具合が居心地のよさを約束するレストラン「ワイルドライス/Wild Rice」。ベリアン氏の代表作といえる
オセアニアから中東、アジアなどあらゆる料理のフュージョンがテーマのレストラン&バー「ボビーチン/Bobby Chinn」のイメージを体現する、赤をテーマとした印象的な内装
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スケッチトラベルで行く! 半日市内観光 プチパリハノイ ソフィテルメトロポールハノイで過ごす 1泊2日プラン
(2008年11月号 | 2008年11月28日 金曜日 17:44 JST更新)
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