漢方医師に聞きました
「サパ漢方の極意を教えてください」
ベトナムの漢方の世界では、人間のからだの状態を温度に例えます。中でも少し「涼しい(マット/Mat)」状態を保つのがベストとされ、からだが「温かい(アム/Am)」状態になるとリンパ線が腫れ、胃やのどが痛くなります。逆に「冷たい(ライン/Lanh)」状態になると、肝臓が悪くなります。女性は男性より少し温かめに保つのがよく、とくに妊娠中は冷たい状態にしてはいけません。
また、食べ物にも「温かい」「冷たい」「涼しい」の分類があり、温かいものを食べるときは冷たいものや涼しいものと組み合わせることが大事です。涼しい食べ物はそれだけで食べてもかまいませんが、ひとつのものを食べ過ぎると逆に温かい状態になってしまうので注意が必要です。
つまり、それらを組み合わせ、かたよった状態から、よりベストなバランスになるよう処方するのが、漢方の極意なのです。
ラオカイ・サパ民族伝統医学診療室
Phong Chan Tri Y Hoc Co Truyen Dan Toc, Sa Pa, Lao Cai
住所:68D Thach Son St., Sa Pa
電話:(020) 872463
営業時間:6:00〜20:00
| ヴー・キム・ウエン(Vu Kim Uyen)医師
漢方医である両親のもと、ハイフォン(Hai Phong)で生まれる。61歳。1966年に教師としてサパ近隣の村へ赴任。モン(H'mong)族やザオ族の村で転任を重ねるうち、彼らの薬草知識に興味をもつようになる。両親から受け継いだ漢方知識と山岳民族たちの薬草知識を生かし、1990年にサパ漢方の医師に。 |
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