必要なのは、とことん寛ぐということ。
〜アンコールで極楽ステイ〜

	↑南国の爽やかなそよ風を感じなら、とろけるようなマッサージを受ける。プールで少し泳いだあとの、まどろむ昼下がり。これ以上の寛ぎは、他にない
	↑シェムリアップ唯一の本格ビストロで味わうフレンチ。新鮮なトマト本来の味を存分に引き出した6種類のトマト料理の盛り合わせ「トマトパラダイス」や、香り高い「ロースト鴨胸肉の蜂蜜＆シェリーソースがけ」など、繊細でいて力強い、華やかな料理が並ぶ
	↑木のぬくもりに満ちたエントランスをくぐる瞬間から、癒しの時間は始まっている。ホテル前に停められているクラッシックカーは、レンタルすることも可能

　何を求めるか。同じ旅でもその目的は様々だ。可能な限り多くを見る、もいいだろう。しかし、日常を離れ、時間を忘れることができるのも旅。何もせず、ただ安らぐ。「せっかく遠くまで来たのだから、もったいない」なんて思いから一歩先へ。しかも、それが日本では味わえない大自然に囲まれた土地ならば、なおのこと。「もったいない」ではなく、「せっかくだから、とことん癒される」。そんな休暇もたまにはいい。

　サパ、カントー、ホイアン、チャウドック。ベトナムの各地で、他に追随を許さない優雅な時間を提供し続けるヴィクトリア･ホテル・グループ。一見リゾートになりえなそうな、一風変わった場所に先駆けて進出。独自のリゾート感を全面に押し出し、地域そのものをひとつの見所として旅行者に提案してくれる。そんなヴィクトリアが、遂にシェムリアップに登場した。

　ベトナムと同様に、フレンチ・コロニアル様式を踏襲した建物には、心休まる木材がふんだんに使われている。中庭に配されたプールも、プールサイドをシックな色調でまとめた板張り。石の西洋と木の東洋、双方の魅力を損なうことなく、巧みに図られた自然との調和が、何気ない落ち着き感に一役買っている。

　130ある客室は、同じくどれも木材が効果的に使われたロッジ風。窓から射しこむ光も、どこか優しさを感じる癒しのスペースだ。しかしそうした中にも、スウィート・ルームには、昔カンボジアを旅した冒険者たちの名前がつけられ、知らず旅情を誘ってくれる。

　レストランはプールを眺めながら食べられる「L'Escale」も捨てがたいが、ここは赤と黒をベースとした、シック・モダンな「Le Bistro de Siem Reap」でフレンチを楽しみたい。イギリス、スペイン、中国など、世界各地で腕を磨いてきたシェフGAEL LARDIERE氏の技が冴える、土地の素材を活かした料理の数々は、カンボジアで過ごす優雅な一日の締めくくりに、きっとふさわしい。

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スケッチトラベルで行くアンコール遺跡の旅

（2005年1月6日 木曜日 18:30更新）