神々の楽園へ、ようこそ。
〜アンコールで極楽ステイ〜

	↑緑に囲まれ、ゆったり35ｍの長さをとった中庭のプールは、水遊びだけでなく、ちょっと本気で泳ぎたい人も満足。家族向けのファン・プールも、併設されている
	↑アンティークのクメール美術品が飾られたレストラン「ル・グランド」は、少し気取って訪れたい。オリジナルの銀食器でいただく伝統のクメール料理と西洋料理は絶品。その後は、ラッフルズの顔｢エレファントバー」で、長い夜を満喫しよう

　カンボジア、シェムリアップ。これを聞いて何を思うだろうか。「遺跡？」「オールドマーケット？」「クメール料理？」。だけど今、この街の旬を言うなら、ずばりホテル。大型で快適、豪華で優雅。そんなホテルが幾つも立ち並ぶ。遺跡を回るだけでなく、そこにいる、そのこと自体を満喫する。それがシェムリアップの新たな楽しみ。過去、世界に名だたる冒険家たちがこぞって訪れ、悠久の時を感じた神々の都。その遥かな時間の流れを肌で感じる、ホテルめぐりの旅へ出かけてみよう。

　この街でホテルといえば、まずその名があがる「ラッフルズ・グランドホテル・ダンコール」。言わずと知れた名門の看板を掲げるこのホテルは、街の中心に花咲き誇る庭園を携え、濃紺の空に鮮やかに映える白亜の建物は、1932年の古くから、この地の歴史を見続けてきた。当時から最高級のホテルとして、幾多の旅人を迎え、1997年に再オープン。少しばかりの改装は行っているが、古きよき時代の面影を、今もその姿にとどめている。艶やかな木目が美しい格子戸式のエレベーター、アール・デコ調で統一した上に、適度にカンボジアンアートを取り入れたインテリアなど、ホテル内の随所にその歴史を感じることができるはずだ。

　客室も創業当時の間取りとほぼ同じ。4部屋あるスウィート・ルームには、それぞれアンコール遺跡の復旧に携わった4人の人物にまつわる品々が飾られ、プールに面した窓からは、木々生茂る大地の先に、アンコールワットを正面に捕らえることができる。また、プール脇に建てられたヴィラは、2つのベッドルームにリビングがついた、極上のリラックス空間。これぞ至福と唸らずにはいられない、とびきりの時間がそこにあるのだ。

　となれば、レストランやスパをはじめとするその他の施設の充実ぶりも、おのずと知れるもの。歴史に裏づけされた伝統のホスピタリティ。その真髄を心ゆくまで堪能してほしい。

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スケッチトラベルで行くアンコール遺跡の旅

（2005年1月6日 木曜日 18:30更新）