南国の太陽の下
キラキラと輝く白い結晶は
静かに自己主張をしていた
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(左上)塩田の近くに真っ赤に咲き誇る火炎樹があった。塩作りは、暑さのピークと共に最盛期を迎える。それはまた火炎樹の季節でもある
(右上)彼らの日常の中に広大な塩田の風景がある。それは両親の職場であったり、自分たちの遊び場であったりする |
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目指す塩田はニャチャンから北に50kmほどのところにある。広大な塩田では、収穫があちこちで行われていた。朝夕の太陽の光のもと、それはそれは美しい光景だった。
興味を引かれ近づいてみると、その作業がかなりの重労働であることに気づく。強い日差しを避けるためにノンを目深にかぶり、さらに顔をタオルで覆い、目だけを出す。足もとは足袋のようなものを履き、強い塩分から肌を守っている。ぽたぽたと汗をしたたらせながら黙々と収穫作業は続く。
乾期の最盛期には、夜が明ける前から始まり、数時間の昼休みのあと、さらに日没まで行われる。
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ニャチャンを中心にしたこの辺り一帯は塩の産地として知られている。天日干しで塩を作るためには、晴れて気温の高い日が続くことが条件。4月から7月ころにかけての乾期、最適な気候をこの地方は持っているわけだ。
塩田の横に山積みされた塩の結晶は、近くの製塩工場へ運ばれる。そこで洗浄、粉砕、熱風での乾燥、その他の工程を経て小袋に入れられ出荷されてゆく。現在の塩の作り方は、植民地時代にフランスの技術で効率を上げたものだそうだ。だが、海水から塩ができあがるまでの作業は、ほぼすべてが手作業である。 |