あの世だって近代化
あなたの知らない冥器の世界 |
ベトナムにおいて、さまざまな場面で燃やされる紙製の祭祀用品は、「冥器/Hang Ma」と呼ばれております。伝統的な行事に用いられるのでございますが、意外と時代の最先端をいっております。そんな、知られざる冥器の世界へ私、ヒンニャン(Hinh Nhan)がご案内します。
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冥器とは、紙や竹を使って作った、本物そっくりのお金や服のこと。燃やすことで、神や先祖にそれらを届けることができる。また、お払いや占いに使用することも。
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旧暦の1日&15日
ベトナムでは旧暦の毎月1日と15日に、冥器の1種である紙のお金、「冥金/Tien Vang Ma」を燃やす習慣があります。その数日前から、天秤棒で冥金を売り歩く人を多く見かけます。 (Hinh Nhan) |
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正月、寒食節、お盆、中秋節、親族の命日、占い、祈祷、葬式など。 ※上記はすべて旧暦
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かまどの神の日/Ngay Ong Cong Ong Tao
旧暦の12月23日には、3人いる「かまどの神/Ong Cong Ong Tao」のために、3人分の帽子と靴、魚、お金などの冥器をお供えし、その後、燃やします。 (Hinh Nhan) |
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お札には、「地府/Dia Phu」「心霊/Tam Linh」などの、架空の発行元銀行名も印刷されている。50万ベトナムドン札や100US$紙幣以外に、50万ベトナム$紙幣という架空のお札もある |
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「うちは代々、冥金を作っています。昔は版木を使って印刷していましたが、今は印刷機です。出来上がった冥金は、ロンビエン(Long Bien)市場の卸問屋へもって行きます。お盆前が1年でもっとも忙しいですね」 ホアン・ヴァン・フォン(Hoang Van Phong)さん(44歳) |
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(2009年06月号 | 2009年10月19日 月曜日 9:02 JST更新) |