ベトナム南部の陶器の街へ
ソンベー焼きのすべてに迫る
北部の「バッチャン(Bat Trang)焼き」に対して、南部ではソンベー(Song Be/現在のビンユーン省辺り)で作られる「ソンベー焼き」が代表的な陶器。南部の人々の生活に根付いた、この歴史ある陶器のできるまでから、おすすめの購入場所までをおしえます。
撮影:大池直人、ベトナムスケッチ編集部 |
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ソンベー焼きは、ホーチミン市中心部から北に約15km、車で約1時間のところに位置するビンユーン(Binh Duong)省の伝統陶器。17世紀頃に中国の福建省から伝わったとされ、色合いや絵柄が素朴で、一般家庭や屋台などでよく見られる庶民的な陶器だ。薪を使い、大きな登り窯で低温で焼くのが特徴。登り窯は見物だが近年、工場生産に移行する窯元が増え、また、煙による環境問題が発生するため、その数は徐々に減ってきているという。
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登り窯を持つ作業場で製造工程をのぞいてみよう。ビンユーン省内にはこのような窯元が点在しており、中には300年前から続く窯元もあるとか。
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意外と力のいる作業。勘を頼りに、全て同じ形に作っていく |
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成型ろくろに粘土を入れ、指で押しながら形を整えていく。1個数十秒で作る技はお見事。ビンユーン省近辺の山や川から取れる土は粘りが強いため、いろいろな形を作りやすいのだそう。
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粘土や灰などを水に溶かした釉薬を、陶器に薄くかける |
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素焼きの陶器よりも、釉薬(ゆうやく)をかけたものの方が焼いたときに耐水性が増し、光沢がでる。かけた後、すぐに絵付けをしたほうが、色のノリもよく描きやすい。下写真の白いほうが釉薬をかけたもの。
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(2008年12月号 | 2008年12月30日 火曜日 21:03 JST更新) |