現代の観客にもわかりやすい表現を
役者インタビュー
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化け狐を熱演する女優、グエン・ティ・ガイ(Nguyen Thi Gai)さん。21歳になる息子さんもトゥオン役者を目指し現在勉強中。将来、同じ舞台に立つのが夢だそう |
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Q トゥオンを始めたきっかけは?
A ハータイ(Ha Tay)省の農村に住んでいた6、7歳の頃からトゥオンが大好きで、芝居好きが集まって催す村祭のトゥオンに出演していました。そこで周囲の薦めもあり、トゥオンの学校に進みました。
Q 演じる上で、特に工夫していることは? A 現代の観客が楽しめるよう、所作や台詞回しに自分なりの工夫をしています。古典の型を守るだけではなく、時代にあわせて芸を変化させることも大切だと思っています。
Q とくに心に残る思い出は?
A さまざまな分野の芸能が一堂に会して行われた舞台芸術祭でのことです。トゥオンは出番が最後の方でした。演じ終わると、あるお客様がはめていた時計をはずして私にくださったのです。「トゥオンはどうせ古くさいパフォーマンスだろうと思い、花束を残しておかなかった。こんな素晴らしい舞台を演じたあなたにどうしても何かプレゼントしたい」とおっしゃってくださり、嬉しさに涙が出ました。最近はトゥオンの素晴らしさを認めてくださるのは外国の方が多いのですが、ベトナム人にも今一度、自分たちの伝統芸能の素晴らしさに気づいてほしいと切に願っています。
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