ハノイから車で約1時間40分。その頂に鍾乳洞が広がるフオンティック(Huong Tich/香跡)山には、お寺、祠など大小あわせて10数箇所に礼拝所が設けられている。それらを総称してフオン(Huong/香)寺と呼び、そこでは旧暦の2月15日をメインに1月から3月までの期間、祭りが催される。そこで今回は、この時期、多くの人出で賑わうフオン寺を一足早く訪れてみた。
まずは、小船でティン祠へ
フオン寺への道のりは、ハータイ(Ha Tay)省イエンヴィー(Yen Vi)村にあるボート乗り場から始まる。川藻がゆれるイエン(Yen)川を手漕ぎボートで揺られること5分、右岸に小さな社が見えてきた。ここは、山へ入る前にお祈りをするチン(Trinh)祠。祠内はもちろん、祠の外にも山に向かって祈る人々がいて、この山への信仰の深さが垣間見られる。建物の柱や扉はすべて朱塗り。境内では高さ3mほどもある巨大な狛犬(?)が迎えてくれた。
川はづづくよ、どこまでも
チン祠を見学した後は、ボートトリップを楽しもう。イエン川の静かな流れにのって周囲を眺めていると、田畑を耕したり、釣りをしたり、小船で荷物を運んだり、のんびりとした素朴なベトナムが見えてくる。
ちなみに、川はそそり立つ山々の間を抜けていくが、その雄大な景観は、その昔、神々のもとへやってきた100頭の象が山になって出来たといわれている。途中、象の形をした山もあり、1時間ほどボートトリップを楽しむと、山の入り口へ到着だ。
山道はここから。 フオンティック山、最大のお寺
ボートを降り、出店が並ぶ参道を歩くこと5分ほど。出店の中にあるローカルレストランで食事をすませたら、次に訪れるのは大きな門構えをもつティエンチュウ(Thien Tru)寺。ここはレ・タイン・トン(Le Thanh Ton/1460〜1497)帝の時代に作られた由緒あるお寺で、全国から多くの信者が集まるという。建物は1度、フランスの侵略により破壊されたものの、1989年に市民の寄付や協力によって再建されている。
■フオン(香)寺、その名はどこから? 昔々、ある王様の娘が出家をすることになったが、その場所こそが、現在フオン寺のある山の中。娘は生涯を山で暮らし、この世の最後を山頂にある鍾乳洞で迎えることとなった。そして、娘は亡くなると同時に観世音菩薩へと姿を変え、その瞬間、洞窟にはなんともいえない良い香りが漂い、人々を魅了したという。 そのような逸話から、山頂の洞窟はフオンティック洞窟と呼ばれるようになった。さらにそこから、この山の周辺にあるお寺もまた総称してフオン(香)寺と呼ばれ、ベトナム仏教の聖地として、人々に親しまれている。
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スケッチトラベルで行く お寺をトレッキングしながら参拝「香寺ツアー」
(2006年2月号/2006年2月17日 金曜日 9:03JST更新)
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