■症例
ホーチミン市駐在の日本人男性(40歳)が、右腰の激しい痛みで、抱えられるようにして来院。尿管結石と診断され、痛み止めで様子をみていたところ、1週間後に石が排尿時に排泄された。
■今回のドクター
国本英治医師/インターナショナルSOSホーチミンクリニック
@尿管結石とは? 血液の老廃物は腎臓でろ過された後、尿管・膀胱・尿道を通り、最終的に尿として体外に排泄されます。さまざまな要因により腎臓で作られた石が、尿の通り道である尿管に落ち、引っかかっているものを尿管結石といいます。女性の倍以上の割合で男性に多く、食生活の欧米化によって日本人にも増え続けています。 尿に溶けているカルシウムやシュウ酸などが原料となり、そこに尿路感染や代謝異常などが関連して結石になりますが、8割は原因不明といわれています。
A尿管結石の症状は? 腎臓のある背中から脇腹、下腹部へと拡がる片側の激痛が特徴です。尿管の粘膜を傷つけて血尿が出たり、頻尿や残尿感、吐き気などの症状も出ます。症状は、石の大きさや場所により異なります。石が尿管に詰まり、尿が排泄できずに尿管が拡張し腎臓が脹れる水腎症が長く続くと、腎機能が悪くなることがあります。尿検査から推測できますが、診断確定には超音波検査やCT検査、尿管造影検査などが必要です。
B尿管結石の治療方法は? 9ミリより小さい石であれば、3ヶ月以内に尿道から自然に排出される可能性があるので、水分を多量にとり、痛み止めで様子をみます。10ミリ以上の石や排出しにくい石、水腎症が続いている場合は、体外衝撃波結石破砕術で治療します。体外で発生させた衝撃波を石に当てて細かく砕き、尿道より排出させる方法です。さらに大きな石や硬い石は、内視鏡を尿道に通して取り出します。これらの治療はベトナムでも受けられます。
C注意点・予防対策は? 1日2リットル以上の水分をとる、塩分と糖分をひかえてバランスの良い食生活と適度な運動を心がける、動物性たんぱく質や脂肪分、ビタミンCを過剰に摂取しない、就寝直前に食事をしない。以上のようなことを日常生活で心がければ、再発しやすい病気ではあるものの防止でき、予防にもなります。
(2010年2月号 | 2010年1月28日 木曜日 18:33 JST更新)
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