■症例
旅行者の60歳男性がツアーに参加中、出現したサルに驚き転倒。足に切り傷を負った。1週間の放置の後、口がうまく開かなくなり受診。破傷風の疑いで緊急入院、翌日には呼吸困難状態となり人工呼吸器治療を施した。
■今回のドクター
寺川偉温医師/ホーチミン市ファミリーメディカルプラクティス
@破傷風ってどんな病気? 破傷風菌に感染することによって起こる病気です。感染して発症してしまうと全身の痙攣や呼吸困難などの症状を引き起こす、命に関わる重い病気です。そのため3種混合ワクチンの予防接種に組み込まれています。
Aどのように感染するの? 破傷風菌は土の中にいる菌で、世界中で確認されています。転んだ際などにできる傷口から菌が進入し、感染します。破傷風菌は嫌気性菌という酸素が苦手な菌なので、空気に触れにくい深い傷の場合はより注意が必要です。
Bどのような症状が出る? 破傷風菌は傷口に感染したあとに、体の中で増殖し破傷風毒素という強力な毒素を生みだします。その毒素によって感染から約3〜20日後に急に口が開かない、食べ物などが飲み込みにくいなどの症状が出ます。 また、その後全身の筋肉が麻痺したり、こわばったりすることによって呼吸困難に陥り、痙攣を起すこともあります。その場合には、人工呼吸器での管理などを含めた集中治療が必要となります。治療が遅くなると死に至ることもあります。
C感染の恐れがある場合は? 大きな傷や深い切り傷の怪我をした場合はすみやかに病院を受診し、きちんとした傷の処置と追加の破傷風予防接種を受けましょう。
D医師からのアドバイス 破傷風にかからないためには、予防接種が最も重要です。子どもの場合は3種混合ワクチン(DTP)の中に破傷風ワクチンが含まれているため、追加で予防接種を受ける必要はありません。成人の場合はワクチンの効果が10年ほどで落ちてくるため、20代後半以降の方は10年に1度、追加の予防接種を受けることをお勧めします。特別な予防接種ではないので、ベトナムでも多くの病院で破傷風の予防接種を受けることができます。
(2009年10月号 | 2010年1月28日 木曜日 18:33 JST更新)
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