■症例
3歳女児が、腹痛と3日間続く水様下痢を訴え来院。急性胃腸炎と診断、細菌や寄生虫は検出されなかったため、対症療法として整腸剤を処方。乳児期に、ロタウイルスのワクチンは受けていなかった。
■今回のドクター
Dr.セシル・ブリオン(Cecille Brion)小児科医/ハノイファミリーメディカルプラクティス
@ロタウイルスって何? ロタウイルスとは、乳幼児に重い下痢を引き起こすウイルスで、ベトナムはもちろん、世界中でみられます。ワクチンが使われるようになる前は、米国で1年間に5万5000〜7万人が入院、うち、20〜60人が死亡していました。米国では、ほとんどの子どもが5歳になるまでにロタウイルスに感染するといわれています。
Aどのような症状なの? 通常はまず発熱し、吐き気や嘔吐が起こり、下痢がそのあとに続きます。下痢や嘔吐は3〜8日間ほど続き、食欲もなくなるため、脱水症状に注意が必要です。ロタウイルスの型は複数あるため、2度以上感染することもありますが、初回よりはおおむね軽症になります。
Bどのようにしてかかるの? ロタウイルスは冬から春にかけて最も多く発生します。感染力は非常に強く、患者の便中にウイルスが多く排出されるため、手指などを介して、周りにすぐ拡がります。下痢の症状が出る前後にも感染力があります。潜伏期間は約2日間。通常、大人は感染しても発症しませんが、感染した子どもの看病などから、高齢者や、疲れのたまった旅行者などが感染することがあります。
C予防するには? ワクチンが有効で、生後2ヶ月と4ヶ月の計2回、経口接種します。2007年頃より、ベトナムでも副作用のほとんどない、良質のワクチンが手に入るようになっています。接種後は、通常通り授乳することができます。過去にこのワクチンで重度のアレルギー反応が出た場合や、ひどい下痢や嘔吐がある時には使用できません。ワクチンの効果はとても高いのですが、その他のウイルスや細菌には効きません。また、多くの他の薬品と同様、重いアレルギー症状を起こす可能性はあります。軽い副作用として、ちょっとしたイラつきや一時的な嘔吐、下痢が起きることも。なお、副作用が疑われている水銀やチメロサールなどの保存料は、このワクチンには含まれていません。
(2009年9月号 | 2010年1月28日 木曜日 18:33 JST更新)
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