■症例
60歳の日本人男性旅行者。尿意はあるが尿が出ない、下腹部の激しい痛み、といった症状を突然発症して来院、急性尿閉と診断。管を通して尿を排出させ、前立腺疾患に有効な薬を処方し、そのまま日本へ帰国。
■今回のドクター
Dr.ゴティエ・トゥラコアン(Gauthier Trackoen)泌尿器科医/ハノイフレンチホスピタル
@急性尿閉とはどんな病気? 泌尿器管の閉塞により、尿が出ない症状のことをいい、中年男性によく起こります。排尿を我慢する、アルコールをたくさん飲む、移動が多い、そういう人に発症しやすい病気です。これまでに同様の症状を起こした経験のある人はもちろん、排尿に全く問題が無かった人にも現れることもあります。膀胱は尿でパンパンになるものの排尿ができず、下腹部にかなり激しい痛みを伴います。そうなったら、できるだけ早期の治療が必要です。
A急性尿閉の原因とは? おもに前立腺の疾患が原因です。他にも尿道閉塞や、神経系の問題による膀胱の麻痺などから引き起こされることもあります。前立腺疾患は、脂肪分の多い食生活が原因となる場合が多く、これまでは欧米人に多かったのですが、ベトナムや日本でも食の欧米化が進み、この病気を患う人が増えてきています。
B急性尿閉の治療とは? 急性尿閉自体に対する治療薬は無く、病院で尿を出す処置を受けることになります。通常、細い管を尿道から膀胱に通して尿を出しますが、尿道閉塞などで管が尿道を通らない場合は、直接膀胱に通すこともあります。この処置によって、下腹部の激しい痛みはすぐに和らぎます。入院の必要はなく、管を付けたまま帰国することも可能です。
C根本的な原因の追究を 急性尿閉になった場合、この病気を引き起こした原因も調べねばなりません。臨床検査以外に、腎臓や膀胱、前立腺の超音波検査を行い、血液検査も必要になります。それらの結果から、膀胱内の内視鏡検査などの他の検査の必要性を判断します。根本的な原因に対する治療は、尿閉の再発を防ぐためにも重要です。原因によっては、手術が効果的なことも。たとえば前立腺疾患が原因の場合、内視鏡による簡単な切除手術などで完治させることが可能です。ともかく急性尿閉を起こした場合は、泌尿器科で医師の診断を受けることが重要なのです。
(2009年7月号 | 2010年1月28日 木曜日 18:33 JST更新)
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