■症例
1歳時に、MMRワクチンを接種済みの4歳男児。高熱が2日続いた後、鼻水と咳、顔から首にかけて発疹がみられた。診察時、眼の赤みと口の中の斑点も確認、はしかと診断。
■今回のドクター
今回のドクター Dr.ヘレン・ナング-パビロニャ(Helen Ng-Pabilona)/ファミリーメディカルプラクティスハノイクリニック
@はしかとはどんな病気? 麻しんともよばれる伝染性の高いウイルス感染症で、飛沫感染や空気感染などでうつります。世界中で年間約2千万人がかかっており、ベトナムでは、2008年秋頃から北部を中心に患者が出始め、2009年春の時点では、ホーチミン市への感染拡大が懸念されています。
Aはしかの徴候、症状はどんなもの? 感染から発症までの潜伏期間はおよそ1週間から10日。発症すると、高熱や鼻水、のどの痛みなど、風邪に似た症状が出ます。その後、赤い発疹が額や顔面から現れ、体や手足へと広がります。下痢を伴うこともあり、その場合は脱水症状にも注意が必要です。症状は2週間ほど続くこともあります。発疹などの症状がなくなっても、感染力が数日間残ることがあるので、外出はひかえましょう。
Bどうやって治療するの? はしかはウイルス感染のため、抗生物質は効果がありません。解熱剤で熱を下げ、水分を多く補給し、ゆっくり休むようにしますが、中耳炎や急性胃腸炎、肺炎などの合併症に注意が必要です。そのような症状がないか、よく観察しましょう。
Cどうすれば防げるの? もっとも有効なのはワクチン接種です。ベトナムでは、MMR(はしか、おたふく風邪、風疹)ワクチンを乳幼児に対し、使用しています。成人でも必要に応じて接種できますが、妊娠中の女性や、免疫不全のある人は受けられません。なお、はしか単独のワクチンは入手できません。 日本では、1989年からMMR、1993年からはMR(はしか、風疹)ワクチンの接種が義務化されています。2006年4月からは、生後12〜90ヶ月の間に2回、定期接種しています。ただし、ワクチンを接種した人やかかったことのある人でも、感染の可能性は残っています。うがいや手洗い、マスクの着用などの予防法のほか、ふだんから免疫力を高めておくことが重要になります。規則的な食習慣や栄養の摂取、十分な睡眠時間の確保を心がけておきましょう。
(2009年5月号 | 2009年5月20日 水曜日 15:46 JST更新)
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